ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲 感想

これが俺達の――
ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲
© 創通・サンライズ

以前より告知されていた「ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲」が配信。久しぶりの再会でフェリーニはセイ達を「お前ら変わらなさ過ぎだ」と評するわけですが、このお話では「変わらなさ」が大きくクローズアップされていたように思います。当のフェリーニは「相も変わらずええ男ですね」と言われるし、三代目メイジン・カワグチもチナにとってはユウキ先輩に変わりない。ニルスは相変わらずバトルが好きなことに素直でない、セイは盗みを働かれたことに気付かないほどにガンプラ好き、レイジは風のように現れる――視聴者からすれば実に4年ぶりの「ビルドファイターズ」ですが、彼らは変わっていません。そして彼らは、いつも眩しさの中にある。マシタ会長(の双子の弟)が手段を選ばないという悪い意味で「変わらなさ」を発揮しているのとは対照的です。使用するガンプラが1体だけでない、創意工夫以外で強くする、操縦者を妨害する、詭弁を弄する、ガンプラを盗む……ガンプラは自由だ、とは本作に通底するところですが、ボスの正体が明かされる前からガンプラマフィアはマシタ会長の弟の卑劣さの変わらなさを強調してくれていました。
もっとも不変なのはもちろん「ガンプラは最高」という本作の根底であり、それは無印ラストバトルの再演、セイとレイジの約束の対決で果たされるわけですが――逆説的にそこには、変化が秘められてもいます。レイジが最後に願ったのは「強くなったセイと戦いたい」であり、つまりセイが強く変わらなければこの対決はなし得なかったからです。そもそも舞台となったヤジマスタジアムの式典、つまりガンプラバトルの再開自体、「プラフスキー粒子が無ければ作ればいい」というニルスの「変わらないための(ガンプラバトルを終わらせないための)変化」があればこそのものでもあるのですから。
好きなものに素直であることは変わらず、しかし上を目指して変わり続けていく。もちろんトライで未来は示されてもいますが、セイ達はそんな風にして進み続けていくのでしょう。それは古い「思い出を残す」場所にはPPSEスタジアムの跡地、新しい「思い出を残す場所」には卒業式の部室が選ばれたことからも見出すことができるように思います。
久方ぶりの再会を、楽しませてもらった特番でした。ありがとうございました。
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