誰かに叶えてもらうんじゃなくて/サクラクエスト 22話感想
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風邪のためてーきゅう感想およびコメント返信は明日にさせていただきます、すみません。
サクラクエスト 第22話「新月のルミナリエ」
©2017 サクラクエスト製作委員会



高見沢達が昔埋めたという「シャイニングドラゴン」だが、暗号が解けずありかは分からない。一方、エリカの言葉に思うところのあったしおりは……?
前回の感想で様々なものの境界があやふやである……と書きましたが、今回はその中でも「大人と子供」の境界が特に大きく取り上げられているように感じました。エリカは中学生でもまだ乳歯が残っており、由乃はいつの間にか母親と同じことを言うようになり、野毛達は小学校時代に作った暗号が解けない。誰しもが境界線上をたゆたっており、いつもその片方にいられるわけではない。しかし「子供の足で動ける範囲は限られる」し「中学生は1人で家を出て暮らすなんてできない」し、野毛達は「僕達大人がしっかりしなきゃいけない」と思い直す。あやふやだが境界は確かにあり、それが何なのかと言えば――今回の話が指し示すのは「選択する」ことができるかどうかということなのではないかなと思います。
真希は憧れるだけではなく覚悟が必要と諭しましたが、選択することとは「選ぶ」ことと「結果を請け負う」ことの2つが揃うことで成立します。見ている夢が違うだけで現実を知らないのはしおりもエリカも同じですが、その点において2人は対照的だったのでしょう。既に成人しているしおりは「結果を請け負う」力があるがこれまで選んだことがなかった。東京に行きたいと「選ぶ」ことだけはしてきたエリカは、未成年であるがゆえに「結果を請け負う」だけの力を持っていない。だから今回の話でしおりは自分はやっぱり間野山が好きだと「選び」、エリカは「結果を請け負う」力を得てから選ぶ(東京に行く時は自分で行く)ことを受け入れる。今回は肉体・精神などなど色々な意味で正反対な2人が共に学ぶ、そういう良き話であったよう感じました。
境界はいつもあやふやで、しかしあやふやということはいつも同じではないということもである。商店街がシャッターを閉めたままでも生を主張できるようになったように。商店街そのもは復活せずとも、野毛のブックカフェのように新たな場所で動きがあるように。いつも通り無愛想なエリカが、ほんの少し素直になったように。さて、物語も終盤となってきましたが、国王はどのような「選択」を行うのでしょうかね。
<追記>
サクラクエスト22話の入浴シーン、首から上だけ映すことでしおりとエリカは「同じ(現実見えてない)」になるし、一方でその後、しおりが諭すシーンでは手足のサイズ差が描かれ、2人の違い(大人/子供)が明確になるという……#サクラクエスト #sakura_quest pic.twitter.com/9mHtoySVqC
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2017年8月31日
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