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漫画感想「バンデット」2巻

バンデット(2) (モーニング KC)

 河部真道の「バンデット」2巻を読了。1巻の感想で「一皮剥けばみな悪党」と書きましたが、そこには1つだけ疑問がありました。後醍醐天皇の息子である大塔宮は結局は権力側の人間であり、「権威に仇なす」悪党ではないのでは?ということです。が、この巻ではその疑問にしっかり答えてくれる。後醍醐天皇は僧兵を手勢に加えるために大塔宮を延暦寺に送り込んだのであり、大塔宮は後醍醐天皇にとって持ち物、手駒に過ぎない――それは石が荷物運びや雑用のための他人の持ち物、下人だった過去と重なるものです。だから大塔宮は後醍醐天皇が嫌いで仕方ない。倒幕を目指すのも父のためではなく、むしろ父を潰して自分が国を作るためだったりする。石が盗賊の襲撃を機に「自分で自分を奪い返し」て下人でなくなり悪党への道を歩み始めたように、大塔宮もまた後醍醐天皇から自分を奪い返さんとしている。ならば彼もまた、まごうことなく悪党なのでしょう。僕がこれまで読んだ歴史漫画では大塔宮は「父上大好き高氏大嫌いのきかんぼう」という印象だったので、この大塔宮像はとても新鮮でした。
 そしてそんな彼らは倒幕を目指している点では共通しているはずの「正中の変」を自分達の益にならないからとぶっ潰してしまう。闊達自在にもほどがありますが、彼らからしてみれば当然なのですよね。彼らの主は天皇でも幕府でもなく彼ら自身なのですから。「悪党性」とでも言うべきものと彼らの人間としての尊厳の回復が重なり合っているからこそ、こんなにも自由な展開が許されるのでしょう。手駒を脱した石が、自ら手駒になろうとする土岐頼兼を射つシーンは、本当に爽快感と解放感にあふれたものであったと思います。
 さてさて、それでは石の悪党としての師匠である猿冠者の回復すべき人間性とは。足利家もとうとう登場し、次巻が楽しみです。

関連:
漫画感想(「バンデット」1巻)

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