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みんなが選んだ主人公は/Re:CREATORS 20話感想


 松原達の様子が完全にスタッフの打ち合わせ状態。



Re:CREATORS(レクリエイターズ) 第20話「残響が消えるその前に」
© 2017 広江礼威/小学館・アニプレックス
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 セレジアの行動により単騎となったアルタイルだが、その強さはなお圧倒的で揺るがない。松原達は「隠し玉」を現界させるが……?
 前回の感想での「アルタイルが創造主的に振る舞う」という指摘は、センターキャラ(疑似主人公)であったセレジアの退場した舞台で「創造主と主人公の互換性」まで含めて今回のお話で描かれます。「多くの難関を越えて、あなたを阻もうとする並み居る敵を倒して、そして最大の強敵すらも倒して」……ひかゆの言葉ですが、まさにそんな状況。最大の強敵は自分、というのは定番の1つであり、アルタイルの鏡像たるシリウスは「悪の組織が作った主人公のコピー」みたいなものだからです。この逆転の構図が成立するのは、観客の一部が同時にアルタイルの二次的な創造主でもあるからですね。劇中の実況弾幕で「おれら>>>>公式」なんてコメントが入るくらいには彼らはアルタイルを「承認」している。

 そして、シリウスの登場は松原達にとっては充分に仕込んだものですが僕達視聴者にとっては寝耳に水。「なんでこんな奴出した!?」と言いたくなるくらいに唐突で伏線がない。そんな存在が一撃でアルタイルとの戦いを終わらせる、なんて展開を僕達が「承認」できるわけがない。ゆえにシリウスはあっさりと乗っ取り返され、敗れるのです。そして逆に「被造物としてのシマザキセツナの現界」は劇中の観客はまるで知らない一方、僕達視聴者には可能性の1つとして容易に想像できていたくらいに伏線が張られている――登場そのものは「承認」できるわけです。

 本作の始まりは「フィクションが現実化する」ものでした。ですが既に現実に存在していた人物が、劇中では創作物として認識されている鳥籠の中に現界する――これはその逆、「現実のフィクション化」です。チート的でなんでもできるアルタイル、そうした不思議な力を何も持たないシマザキセツナは共に被造物と創造主の極みであり、これまでの話で創作と現実が等列になっていったように、アルタイルを打ち破るには真逆のものこそが必要なのでしょう。そして、セツナとアルタイルの対話という「叶うはずのなかった真っ赤な嘘」は、嘘(フィクション)の場によって裏返り、叶うのです。
 さて、この先の物語は僕達と観客、その双方に承認されるものになるのか。残り2話、見守りたいと思います。

関連:
Re:CREATORS 感想リスト

Re:CREATORS 第1話「素晴らしき航海」
Re:CREATORS 第2話「ダイナマイトとクールガイ」
Re:CREATORS 第3話「平凡にして非凡なる日常」
Re:CREATORS 第4話「そのときは彼によろしく」
Re:CREATORS 第5話「どこよりも冷たいこの水の底」
Re:CREATORS 第6話「いのち短し恋せよ乙女」
Re:CREATORS 第7話「世界の小さな終末」
Re:CREATORS 第8話「わたしにできるすべてのこと」
Re:CREATORS 第9話「花咲く乙女よ穴を掘れ」
Re:CREATORS 第10話「動くな、死ね、甦れ!」
Re:CREATORS 第11話「軒下のモンスター」
Re:CREATORS 第12話「エンドロールには早すぎる」
Re:CREATORS 第13話「いつものより道もどり道」
Re:CREATORS 第14話「ぼくらが旅に出る理由」
Re:CREATORS 第15話「さまよいの果て波は寄せる」
Re:CREATORS 第16話「すばらしい日々」
Re:CREATORS 第17話「世界の屋根を撃つ雨のリズム」
Re:CREATORS 第18話「すべて不完全な僕たちは」
Re:CREATORS 第19話「やさしさに包まれたなら」

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2 Comments

通りすがり  

「嘘はくるりと裏返る」

そもそも、良くも悪くも常に最も大事な場面に限ってコロコロと引っくり返ってしまう「嘘」って、「創作物」や「キャラクター」もそうだし、現実社会や我々など生きとし生けるものが全て実に「嘘」臭い、曖昧模糊とした存在です。

ここまでの話では、相容れない立場の登場人物が互いの役割を規定し合うバトルロワイヤル、逆に言えば目まぐるしく入れ替わるにしても、瞬間ごとには固定してる前提でしたが、この「裏返る」を時系列の変化と見ずに「位相の違い」と捉えると、実は主役も脇役も神様も狂言回しも、レイヤーを捲ると一人の中に全て内包されてるんだなぁ…と気付かされます。

その意味では、「創作のプロであるが故に」「与えられた役割をこなす事が染みついたキャラクターが故に」そういったしがらみが無いからこそ「無敵」であるアルタイルに対し、いい意味で素人&真鍳による祝福を得て「常識に囚われなければ、全ての逆境は『裏返せる』」と確信した颯太こそが、アルタイルの凍て付いた心を解かせるのでは、と期待しつつラストスパートを心待ちにしております。

2017/09/06 (Wed) 23:18 | EDIT | REPLY |   

闇鍋はにわ  

>通りすがりさん

>実は主役も脇役も神様も狂言回しも、レイヤーを捲ると一人の中に全て内包されてるんだなぁ…と気付かされます。
 それぞれが元の役割から逸脱したり変化する姿が描かれているのが本作ですからね。

 バックボーン、物語を持たないアルタイルにとって、このレクリエイターズこそが彼女の「物語」なわけですし、彼女の迎える結末は本当に気になるものです。そしてそこに、颯太はどのように変化を加えるのでしょうかね。

2017/09/07 (Thu) 20:58 | EDIT | REPLY |   

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  •  Re:CREATORS第20話
  • ! !! !!! 因果を自在にあやつるアルタイルさんに、もはや物理攻撃は通用しな
  • 2017.09.03 (Sun) 08:28 | うたかたの日々 でぼちん珠洲城遥万歳
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  •  Re:CREATORS #20
  • 『残響が消えるその前に “Somebody receives the power of creation, and the spirit is redeveloped from their passion.”』
  • 2017.09.03 (Sun) 12:31 | ぐ~たらにっき
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  •  Re:CREATORS<レクリエーターズ> #20 「残響が消えるその前に」
  • 帽子が本体だったとか・・・?  「Re:CREATOR」の第20話。 カロンを止めるため自らを犠牲にしたセレジア。 しかし怒りのひかゆの力もアルタイルによってキャンセルされてしまう。 そこで政府軍が投入した隠し球はアルタイルの姿と能力を超えるシリウス。 認証力がギリギリのために性格付けが間に合っていないが能力は十分で 松原達の計画通りにアルタイルを吸収することに成功する。 ...
  • 2017.09.04 (Mon) 02:21 | ゆる本 blog
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  •  【Re:CREATORS】 第20話『残響が消えるその前に』 キャプ感想 
  • Re:CREATORS 第20話『残響が消えるその前に』 感想(画像付) アルタイル攻略に用意したシリウスではまだ勝てなかった… やはり承認の足りない、にわか作りのキャラじゃ無理か。 颯太が最後の出した切り札は、アルタイルの作者セツナさん!? キャラとして顕現したセツナさんは、アルタイルに何を話しかけるのか? 結末がどうなるのか楽しみだw
  • 2017.09.04 (Mon) 09:59 | 空 と 夏 の 間 ...