漫画感想「艦隊これくしょん -艦これ- ケッコンカッコカリアンソロジー」2巻

「艦隊これくしょん -艦これ- ケッコンカッコカリアンソロジー」2巻を読了。出たのは2年前の年末ですが……(;´Д`)
先頭を飾るのは1巻で表紙に載りながら収録話の無かった金剛をヒロインとした雪村ゆにの「2人の距離」。提督LOVE勢筆頭とも呼ばれる程にオールウェイズ提督大好きアピールをしている彼女ですが、だからと言って提督が彼女の全てを知っているなんてことはまだまだなくて……という内容ですが、それを知るとますます金剛が好きになれるし、独自設定というわけではなく姉妹関係から自然と納得できるものであるのがとても素敵です。お見事。
無愛想な提督との悶着、というのはこうしたお話の定番の一つでありますが、そういう傾向としては似通いながらも別の話として成立しているのはnaotoの「毛布のベール」、氷堂れんの「夢から覚めても」。前者は阿賀野、後者は愛宕というわけで、艦娘の性格的にもちょっと通じるものがありますね。ただ前者は芯から不器用な青年、後者は自制心の強い成熟した男というように提督像が異なっているため同じような話を読んでいるという気にはなりません。特に後者は最初はおねショタものかと思わせてそうではない→やっぱり提督かわいい、と言う愛宕の変形的な提督LOVEぶりも良いアクセントになっています。
武人肌の武蔵を嫁艦にするのは若菜光流の「しるしの予約を」。この鎮守府の武蔵は2013秋イベ、つまりあの鬼畜難度と名高い「決戦!鉄底海峡を抜けて!」産です。僕は初イベだった事もあってとてもクリアできないと途中で諦めたなあ……その大変なイベントをこなしてまで武蔵を迎え入れた事にこそ提督の思いがあり、武蔵とのすれ違いがある。プレイヤーの思いの反映がとても強い内容となったことで、素敵な話の並ぶ本作でも特別な印象を残す1編となっています。
練度99までは描かないのはコズミの「愛おしい日々」。提督と特別仲がいいけどそれは恋人的ではなくて、練度99もまだ先の龍驤が「提督に選ばれない言い訳を作りたい」という言い訳を取り払うまでの物語です。最初に書いたように練度99になる姿は描かれませんが、それに至るまでの日々がとても「愛おしい日々」になるのが想像できる終わりに素敵な余韻があります。
本作では珍しく4コマ主体で描かれるのは湖西晶の「Revealing Love」。毒たっぷりの大井の言動を上手いこと再解釈、辛辣なその言葉が愛しさの塊になるような作りが印象的です。というかこの提督、そして作者の大井への懐の広さ愛の広さがとても素晴らしい。「大井のやる白いことも黒いことも全部嬉しいんだ」というのが劇中の台詞だけに聞こえない1編です。
この他、女性提督が相手になることでまたシンプルに敷波という娘が見えてくる山名沢湖の「Nothing*Somthing」、提督への照れからなかなか上手く行動にできない摩耶を描く榎木りかの「摩耶さまの指輪」など、1巻で書いた「提督と艦娘の数だけケッコンカッコカリがある」ことをより強く感じられる1冊でした。
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