皐ちゃん、見つけました/このはな綺譚 2話感想
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あなたを見つけて、私を見つける。
>拍手返信:雪光さん(このはな綺譚 1話感想)
>>薬屋のお爺さんの印象深い台詞と、比丘尼の教えの一言を結びつけて見る感想。その切り口がやはり素晴らしい!こうして見ると今回の話にも一本筋が通るのだなと気付かされるのです。
一本の筋を見つけることこそ僕の感想の喜びですので、そう言ってもらえるととても嬉しいです。2話も旅人の正体は実際に見てみないと分からず、また柚も皐も共に学ぶことになっている辺り、全体に通じて見えるものかもしれません。一緒に楽しんでいきましょう。
このはな綺譚 第2話「春の旅路」
©天乃咲哉・幻冬舎コミックス/このはな綺譚製作委員会



休みを取るよう言われて不満げな皐。温泉に浸かっていたところ……?
柚が此花亭に来て少し経った時を描く今回は、距離の扱いが印象深い回。柚はよく人に懐き誰にでも優しい子ですが、それは相手との距離をグイグイ詰めていくものではありません。お菓子の時の素直な喜びようの一方、お花見風呂に自分からは入らない、皐に此花亭をやめないでほしいとは言わない、桜に引っかかっていた皐に何があったのか聞かない――柚にあるのはむしろ相手を気遣う絶妙な距離感であり、距離を詰めるのはむしろ皐の方です。お花見風呂に引きずり込む。町に誘う。秘密を打ち明ける。帰ろうと手を差し伸べる。それらは全て皐が自発的にしたことであり、自分のことを話したがらない彼女だからこそその行為には大きな意味があります。そしてそうさせたのはなまじ事情を知っていたり踏み込んだりする此花亭の仲間ではなく、最初に述べたような柚の距離感があればこそ。
距離があることはけして悪いことばかりではありません。花蒔の姉は自分達の旅の遅れを無理に詰めようとはせず、自分達のタイミングで神木の桜を咲かせようとします。人も花も開くのは同じ時とは限らず、また散ることがあっても繰り返す。それは巫女になりたいという皐の夢の桜もまた、同じなのでしょう。焦る必要はなくて、ゆっくりと自分の花を育てていけばいい。
柚もまた、距離とは保つものではなく動くものであることを学びます。皐はいつまでも此花亭にいるわけではないこと、けれどそれが今生の別れではないこと。「姉妹」の距離が埋まったこと。自分の距離のとり方が実は皐を引っ張るものであったこと。皐が距離を詰めてくれたことが、とてもとても幸せに感じられたこと。柚達が学んでいく様子が、ますます感じられる第2話でした。
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