漫画感想「武装錬金」文庫版2巻

入り乱れているのは各キャラクターの心情も同様で、この2巻ではたびたび過去の感情が揺り戻される姿が見えます。斗貴子は寄宿舎での戦闘で自分に起きた惨劇からの憎悪を取り戻すし、ホムンクルスになろうとしている早坂姉弟に対する斗貴子とカズキのスタンスは、かつて蝶野攻爵がホムンクルスになりたい理由を明かした時の再演。そして早坂姉弟も、かつて自分達に起きた出来事を今に置き換えることでそれぞれ愚行を重ねたり、道を改めたりする。
この一筋縄では行かない関係にカズキは毎度「巻き込まれ」、そして道が1つしかないと考える彼らを自分の選択肢にやはり「巻き込んで」ゆく。蝶野攻爵を救えなかった痛みが強く刻み込まれていることで、当初の「勇気」から更に一段進んだカズキの姿が違和感なく見えていくのは、戦士としてだけではない彼のもう1つの成長なのでしょう。
描き下ろしのアフターアフターはこの2巻の主役とも言える早坂姉弟の登場。エンゼル御前がいるだけで話がコミカルにサクサク進むなw
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