それじゃいけませんか/このはな綺譚 4話感想
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幸せを決めるのは。
>拍手返信:雪光さん(このはな綺譚 3話感想)
>回転を軸に読み取るとまた一本筋が通って気持ちいい!蓮の独占欲を中心に描かれた今回の話のオチとして、最後に棗の蓮に対する独占欲が顔を覗かせるのも回転が軸にあった今回の内容として相応しいものなのだと思えます。お饅頭の例え話に和みつつ、本質を突いた上で最後に少しやらかしちゃう。要所でしっかりと役割を果たす柚の存在感も流石でした。
散々に蓮側からの心情を描いておいて、最後に棗の方からも決定的な気持ちを覗かせちゃうのがズルいですよねー。逆サイドから描いた話が見たくなる。柚も話の中心には関わらないはずがますます好きになれる、とても良い塩梅の出番でした。
>拍手返信:と~しきさん(同上)
>回転をテーマに解説されているのが面白い感想でした。言われてみれば顔が上下に回る騙し絵おじさんをはじめ、所々にくるくる回るものが描かれているんですよねー。棗にしても、ひひひ孫くんにしても性別すらくるくるしているのも意図的な脚本だったんだろうと思わされましたー!
物語から美術から、とても自然に盛り込まれてますよね。蓮と棗の描写から考えてみたらびっくりするほど回転だらけに見えてきて、ちょっととりとめない分量になってしまいましたw 楽しんでいただけたなら幸いです。
このはな綺譚 第4話「夢の浮き橋」
©天乃咲哉・幻冬舎コミックス/このはな綺譚製作委員会



目が覚めたらなぜかお腹に卵のくっついていた蓮。果たしてこの不思議なものの正体は……? 5人の人となりを知って開けた4話は、夢と現の境を漂うようなお話。
前半の騒動では蓮や皐のお腹に謎の卵がくっつきますが、これは言ってみれば「夢」の妊娠です。それはもちろん本当の妊娠ではないのですが、棗と蓮が夫婦になったような時間を生むし、皐は柚から妊婦を気遣うような扱いを受ける。実際に妊娠したかどうかは問題ではなく、「彼女達に見える世界こそが真実」なのです。夢の中での棗や姉に対する蓮と皐の告白も、それに対する棗や柚の返しも本当に起きたものではない。けれどもし実際にその場にいたら相手がそう言ってくれると思えるからこそ、2人は残った夢を「ああ良い夢だった」と思えるのです。
これが顕著に現れるのはもちろん後半で、そこで起きたことが何なのかは、瓜乃介の正体と同じく明白にはなりません。人の姿の志乃が老婆と柚達の前に同時に現れることはなく、また老婆は仲居である柚達すら別の人間に見えているように語る時すらある。「志乃」も、果たしてそれはとうの昔に死んだ娘が今になって赤ん坊からやり直した姿なのか、老婆が生み出した幻であってそのものではないのか。もちろん視聴者として推測はできますが、今回の映像で言明されることはない。
この状況をいかように捉えるか問われるのは、登場人物も変わりません。柚はズバリ桐に尋ねられて自分の考えを示し、志乃は反発し、桐は助言する。それは彼女達が「自分達に見える世界」を提示するという事です。「自分はそれをどう解釈するか」を提示すると言い換えてもいいでしょう。そして解釈とは「自分が見ている夢」に他ならない。
人は目の前の現を自分の中で夢に変化させることで受け止め、その価値を変化させます。「7歳までは神の子」というある種の諦めの言葉から「ずっとあなたの子でした」という感謝の言葉を生み出したり、おそらく亡くなるということをずっとずっと娘と一緒にいられるのだと考え直させたり、それを「旅立つ」と称したり。老婆の娘の所への旅立ちを悲しむのではなく「きっとお急ぎだったのですね」と捉える柚の姿は、なんとも彼女らしい優しさに満ちていました。
感想という「解釈」を日々書いている僕にとって、とても印象的な回であったと思います。普段なら最終回に言う言葉ですが、スタッフの皆様、素敵なお話をありがとうございました。
関連:
このはな綺譚 感想リスト
このはな綺譚 第1話「さくやこのはな」
このはな綺譚 第2話「春の旅路」
このはな綺譚 第3話「恋待ち焦がれ」

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