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ごっこ遊びのマトリョーシカ――「かくしごと」2巻感想

かくしごと(2) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

 久米田康治の「かくしごと」2巻を読了。フィクションと現実の境が面白い本作ですが、今回は「演じる(ごっこ遊びをする)」ということに重点が置かれていたように思います。

 可久士が愛娘の姫の前で「まっとうなサラリーマンの父親」を演じているのは言うまでもありませんが、演じているのはそれだけに留まりません。中目黒に平屋なんて旧家屋に見える後藤家は実際は新築で、わざわざ鎌倉にある家と同じ家屋を再現――つまり「演じて」いることが語られます。またうっかり本名で漫画家デビューしてしまった可久士は世間では後藤和士と名乗り、あたかも可久士がペンネームであるかのように「演じて」いる。そういう目で見ていくと、新人賞の審査員を務める際に「漫画は全て娘が描いている」と思い込むことで厳しさと優しさを両立したコメントを考えること、1人なのに原作と作画が別れているかのように(人格が分裂したかのように)振る舞うこと、いまどき必要もないのに〆切前にホテルにカンヅメになることなど、この2巻では様々な「演技」が目に入ってきます。
 そして巻末では成長した姫が、父が隠し事をしていたと言うより自分がそれを知るのを怖がっていたのだと――興味がないように「演じて」いたことを気付く姿が描かれます。鎌倉の家で見つけたのは匣の中の匣。フィクションである本作の中に更なるフィクション。果たして3巻では、どんなお話が見られるのでしょうか。


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