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懐広い「日常」の強さ――「どくろさんが見ている」3巻感想

どくろさんが見ている 3 (MFC キューンシリーズ)

 桑住あさの「どくろさんが見ている」完結となる3巻を読了。これまではどくろさんという非日常の塊のような存在を筆頭に、登場人物の様々なズレが日常に吸い込まれていく姿が描かれてきましたが、ラストに登場するのは正体不明の存在・クロ。どくろさんと対象的に小さくて丸っこくてかわいいクロは人前に出ても全く怖がられませんが、その性質はむしろ非常に危うさを持っていていつの間にかナミの頭の中に潜っていたり、寝ている間に彼女を食べようとする。非日常的な外見を持ちながら日常に吸い込まれていくどくろさんと、日常的な外見を持ちながら口を広げて非日常へナミを吸い込もうとするクロは実に対照的な存在だと言えます。名前は1字しか違わないのに。そんな両者が相容れるわけはないのです。
 いよいよナミに牙を剥こうとしたクロにどくろさんはその身を呈して封印やら何やらを施し、どくろさんは彼女の前から姿を消します。でもそれは、どくろさんがいなくなったということではない。もうナミにどくろさんが見えることはないようだけど、時折ナミは頭を小突かれるような気がしたりノートにどくろさんからのメッセージが書かれているのを見つけて安心する――ナミが言っているように現象だけ見ればホラーなのですが、それは彼女の「日常」の中に許容されているのです。

 告白した一咲との関係を返事をもらう1ヶ月先までの限定だけど元に戻したことなどもそうですが、本作では非日常は日常に溶け込んでいく。世界は思うより懐が広くて、ズレも違いも意外と受け入れてくれる。そういうことを感じられる作品であったように思います。桑住あさ先生、お疲れ様でした。

関連:
漫画感想「どくろさんが見ている」1巻
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