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話数単位で選ぶ、2017年TVアニメ10選


 「新米小僧の見習日記」さんでまとめられている 「話数単位で選ぶ、2017年TVアニメ10選」企画、今年も参加させていただきます。ルールは以下の通り。


・2017年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。





<No.1:セイレン 第4話「ホシゾラ」>
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 高山箕犀の新作からは、ファーストヒロインにしてもっとも視聴者の予想を裏切ったであろう常木耀編の最終4話を。本作はあたかも原作のないギャルゲーのような偽装をしながら、その実は恋愛の成就が全てではない青春アニメである……というのが本作を最後まで見ての印象でしたが、恋愛によってきちんと進路を決めたことで高校在学中は2人の思いが成就することがないという耀編の結末は、本作のそういう性質をこれ以上なく表現し突き付けてくれたものであったと思います。
 耀には置いていかれた正一が透には必死で追いつき、今日子とは一緒に歩んでいく。そういう進歩を見ても、これは1つの章の終わりであると同時に本作のもう1つのスタートラインなのでしょう。一貫性として自分の感想へのリンクを置いていますが、この回については「イマワノキワ」のコバヤシさんの4話感想を読んでいただいた方が解釈がはかどるかと思います。

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セイレン総評―メタ・ギャルゲー上の少年少女たち―




<No.2:うらら迷路帖 第7話「祝詞と魔女、時々覚悟」>
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 迷路町で自分達の道を探す少女達の物語からは、ノノと小梅の原点にスポットを当てた第7話を。夢と壁、祝詞と子守唄と誓いの言葉、うららと魔女、呪いと祝福……「同じものを形を変えて伝える」ことだったり、あるいは逆に「形の違うものから自分の望むものを得られる」多様性が、全く別個の筈の2人の物語を1つに繋げる構成が素晴らしい。目立ち方という点では出遅れ気味だったノノが、それをバネにするように完全にキャラクター性を確立してくれる回でもあり、この作品から選ぶならこれ!とハッキリ決めていたものでした。ほぼ同じはずなのに違った印象を受ける原作2巻との比較も楽しいです。
 しかしテーマに沿った内容だしコミカルに表現されてますが、ニナ先生の「自分もかつて祝詞の暗記に苦しんだから皆にも苦しんで欲しい」という発想は仕事に置き換えると怖いなー……

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一人前のうららになるから/うらら迷路帖7話感想
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<No.3:機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第45話「これが最後なら」>
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 止まることなく走り続けた孤児たちの作品からは、彼らの博打がはっきり裏返る45話を。この話の何が優れていると思うかって、長めのアバンにその回の要素が集約されている点ですね。戦力の分断、雑魚に構わず主力狙い、練度の低い「左翼」の革命軍が狙われるように、ガンダム乗りでもっとも練度の低いシノが「左腕」を折られ……そして鉄華団の中でもっとも鉄華団らしい男とも言えるシノは、その未来を示唆するように乾坤一擲の一撃に失敗し死んでいく。これが最後の闘いと定めているオルガ達の思いと裏腹に、アバンの三日月の「いつまで続くんだ、これ」という言葉通りに戦いは終わらない。仮託された要素という点で、本作全体でも屈指の回と言えるのではないかと思います。

関連:
俺達らしいな/機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ45話感想
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<No.4:リトルウィッチアカデミア 第21話「ワガンディア」>
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 現代の魔法使いに憧れる落ちこぼれ少女を描いたアニメからは、6つ目の言の葉が見つかる21話を。1話完結という意味ではサブキャラクターに光を当てた話も捨てがたいのですが、僕としては6つ目の言の葉「ありがとう」に集約されるこの回を選びたい。
 ワガンディアのようなねじれを解いて、アッコからアーシュラ先生に送られる嘘偽りのない気持ち。次の回でのアーシュラ先生=シャリオとその秘密に傷つくのも、もう一度会った時に彼女を受け入れられたことも、全てはこの回の「ありがとう」があればこそ。6つ目の言の葉はもっとも大事なものの1つ、というアーシュラ先生の言葉は正に当を得たものだと思います。本作のシリーズ構成およびこの回の脚本を手掛けられた島田満さんのご冥福をお祈りします……

関連:
リトルウィッチアカデミア21話ツイート感想
リトルウィッチアカデミア 感想リスト




<No.5:Re:CREATORS(レクリエイターズ) 第13話「いつものより道もどり道」>
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 ストライクゾーン狭く、一方で僕にはぐさりと刺さった本作からはそのメタ性の権化みたいな13話を。ほぼ同じ素材から視点の変更や編集によって全く別の「物語」を創造してしまうのはいわゆる総集編映画でしばしば見られる手法(エウレカセブンなどはなはだ挑戦的)ですが、劇中のキャラにそれをやらせることで現実と空想、創造主と被造物の境界を崩していくこの回は実に本作らしく、またオリジナリティの強いものです。下記の指摘にあるように、最終回の伏線であって単なる筆休めではないのもポイント。


 なおメテオラさんについては断然本物派。

関連:
引き続きのご視聴を願って/Re:CREATORS 13話感想
Re:CREATORS 感想リスト




<No.6:サクラクエスト 第18話「ミネルヴァの杯」>
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 衰退していく土地の「まちおこし」を飾り立てることなく描いた本作からは、数少ない人死の出る18話を。この章で大活躍している教授の退場は、メタ的に見ればこれほどの頭脳と見識の持ち主を物語に居続けさせるわけにはいかないという都合もあるでしょう。けれど彼が退場するのはそういう事情だけではない。衰微する間野山の中でも更に外れにある蕨矢集落は間野山の未来の姿であり、突然の死にも関わらず万端整えていた教授の最後は、それ自体が間野山の人々に示す「格好良い終わり方」だからです。その見事さは本作も中でももっとも強く記憶に残ったものでした。「根を下ろす」という意味で、間野山に根を下ろした教授とバスの運転席に根を下ろした高見沢、そしてこれから間野山に根を下ろす早苗のラインも美しかったなあ……
 あとそっちばっかり印象に残ってたので、見返した際ミイラ取りがミイラ取りになって酔いどれる真希に爆笑しました。たんたんたぬき~♪

一日も欠かさず/サクラクエスト 18話感想
サクラクエスト 感想リスト




<No.7:武装少女マキャヴェリズム 第12話(最終回)「少女達の「マキャヴェリズム」」>
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 漫画原作のバトルアクションアニメからは最終12話を。原作ではまだまだ話が続いているのでそれに応じた描き方になっていますが、これで完となるアニメでは原作を踏襲しつつも爽やかな終わりを感じさせる作りになっているのが素晴らしい。かつてをやり直すようにして分かりあった納村と天羽のように、今度は輪が納村との出会いをやり直すことで愛地共生学園をこそ納村の居場所とする。そしてそれができたのは、天羽と輪のそれぞれが戦いを通して納村という人間を理解したから――という。原作と異なり納村の呼び方のアクセントを直さないという謎の変更が最後に活かされていることに痺れました。ラストの納村の「ただいま」からのEDの流れも抜群に美しく、僕に本作のブルーレイ購入を決心させたのは間違いなくこの最終回。目立たなかったけどとても良いアニメ化でした。
 武術うんちくと女の子のかわいさばかりに目が行きがちですが、本作は不器用な連中がバトルでコミュニケーションしていくお話でもあります。ブルーレイの最終話コメンタリーには納村役の畠中祐と天羽役の松井恵理子が参加していますが、トークが完全にそこに踏み込んで「演者 兼 原作を読み込んだ上でアニメの改変を肯定するファン」になっていて嬉しく思いました(ダイマ)。

 ついでなので書いておきますが、本作の剣術は現実に存在する流派です。

関連:
まっぴらごめんさ/武装少女マキャヴェリズム 12話感想
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<No.8:プリンセス・プリンシパル 第5話「case7 Bullet Blade's Ballad」>
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 未来のために嘘をつく少女達の物語からは、サムライ・スパイ加入の5話を。総合点では初見で楽しくかつ話数が進んで見返すと更に楽しくなる2話に軍配を上げるのですが、どれか1つと言われたらどうしてもこの話になってしまう。
 息を呑んで見入ってしまう剣戟、アンジェとプリンセスの関係を引き写しにした並走する列車、初登場時のアクションや黒蜥蜴星人≒日本人がもたらすアンジェとちせの相似(後になってみればこうしたちせの異物性はアンジェの心の壁ともかけてあろうか)など他の回と同様に美点を挙げればきりがありませんが、アンジェ達が去った後、自分が殺した父のおまじないを唱えてなお胸の痛みに耐えられないちせの涙が僕の頭から離れません。本作はアンジェとプリンセスを中心としたお話ですが、僕の本作への「好き」の中心は彼女なんだな……と思います。

関連:
プリンセス・プリンシパル 5話ツイート感想
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<No9:このはな綺譚 第4話「夢の浮き橋」>
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 境界の旅館を舞台とした綺譚からは、舞台と物語の性質が明示された4話を。頓狂な百合コメや成長譚とホラーの境界をたゆたう物語の中で、悪夢が美しい夢へと浄化されてゆく。今回のお話では柚がその人徳で引っ張っていく部分はさほど大きくありませんが、それゆえに此花亭という場所が何なのかをはっきりと感じられる回であったと思います。当時の感想にも書いていますが、感想を書く人間の端くれとして夢=「解釈」について感じいるところが大きく、本作への好感度はここでぐっと上がりました。

関連:
それじゃいけませんか/このはな綺譚 4話感想
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<No10:アニメガタリズ 第12話(最終回)「ミノア、カタルシス」>
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 アニメを「作る」のではなく「語る」本作からは放送ホヤホヤの最終回を。本作の始まりである古今東西のアニメをチャンポンしたがごとき謎の劇中アニメを更に作品世界そのものにぶちまけたような――ぶっちゃけメチャクチャなお話ですが、逆に言えば始まりがそうだったのだからここに帰着するのも必然なのでしょう。正気と狂気の境目を突っ走るような超展開の中で確かにこれまでの展開が生きていて、それはあたかも全てが無かった事になったかのような終わりの後も変わらない。本作のたどり着くべきだった結末は確かにここにある。
 はっきり言っておこう、この作品を0話切りした人は運がない(宝石の国と少女終末旅行の視聴を事前断念した口で言う)。ぜひ、もっと多くの方に見てみて欲しい最終回です。

語りたいのは――「アニメガタリズ」12話感想
アニメガタリズ 感想リスト




 以上の10選となります。今年はこの企画をそこまで念頭に置いていたわけではありませんが、自然と「この作品は好き、その中でもこの回が特に好き」という感じで選出にはそんなに困りませんでした。見られる作品数には限りがあるとは言え今年は特に多くのヒット作を視聴し損ね、もったいないことをしたなと思うのですが、一方で視聴経験として貧しかったとは思っていません。自信を持って10本、選びました。

 来年もたくさんの素晴らしい作品を見て心に留め置いて、こうしてまた年末に選べればいいなと思います。皆様、良い年を。

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