はみ出る心と体――「ダーリン・イン・ザ・フランキス」7話感想
- CATEGORY: Wisp-Blog
- TAG: アニメ_2018年冬アニメ

実際にこの笑顔を見られるのはイチゴくらいだろうか。
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第7話「流星モラトリアム」
©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会



「ダーリン・イン・ザ・フランキス」(ダリフラ)7話を視聴。新章の始まりとなる今回のお話は、「はみ出る」ことがよく描かれていたように感じました。キッシングの成功により第13部隊は特別に休暇が与えられ、訓練と戦いの日々から束の間はみ出ることを許されます。不安や緊張感から解放されることで気持ちはふわふわと浮足立ち(はみ出し)、また少年少女達は水着になることで少なからず生身を外側へはみ出させる。
もちろん、このはみ出る姿はオトナ達の思惑からはみ出たものではありません。ゼロツーとヒロの正式配属&パートナー化や第13都市が最重要特別監視都市として認定されることは「前例は無いが妥当な決断」だし、「環境に適応させるには異分子も必要」という判断あってのもの。ヒロ達が休暇を許された海は外に広がるのではなく内側にくり抜かれたような形であり、岩礁はそれとなく遠くへ行かせない。イチゴ達の水着も思い思いのようでいて、カラーリングからは全てが用意されたものであることが分かります。
けれどそれでも、この場所はミストルティンという鳥カゴではない。裂け目から歩み出たヒロ達は、外の世界の一端を目にします。そこではミツルの言うように安全は保証されていない。そこでのやりとりも見つけたものも、おそらくオトナ達の望むものではない。
焚き火は丸太できれいに円状に囲まれ、ヒロはオトナ達の思惑から外れそうな言葉を口にする一方、ゾロメの仲間という言葉で内に――円の内に取り込まれます。ゼロツーはそれを海から遠巻きに見る。わずかに円からはみ出るゾロメ達を見る彼女の表情はいつものように蠱惑的でも凶暴でもなく、どこかこれまでにない彼女をはみ出させている。
イチゴもまた、円の中ではリーダーとして振る舞いますが、そこからはみ出てヒロと2人きりになれば「偉そうなこと言ったけど」と言葉を翻します。「あたしバカだけど」なんて、皆の前ではけして言えない言葉でしょう。「イチゴの星」も「模擬戦の時のキス」も、はみ出たことで特別になる。2人だけの時間は皆からはみ出た、特別な時間です。
そんなわけで、たっぷりサービスしつつそれを物語にも活かしているのが感じられた回でした。この第2章、どんなお話が待っているのでしょうね。
関連:
ダーリン・イン・ザ・フランキス 感想リスト
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第1話「独りとヒトリ」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第2話「繋がるということ」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第3話「戦う人形」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第4話「フラップ・フラップ」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第5話「キミの棘、ボクのしるし」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第6話「ダーリン・イン・ザ・フランクス」

にほんブログ村
【言及】
http://koisananime.com/now/2018/02/dif-7.php
http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-6784.html
https://tiwaha.blog.fc2.com/blog-entry-495.html
http://ameotokops.blog.fc2.com/blog-entry-951.html
http://renpounasu.blog.fc2.com/blog-entry-2625.html
http://guutaranikki.blog4.fc2.com/blog-entry-14861.html