異なれば異なるほどに――「ダーリン・イン・ザ・フランキス」12話感想
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呼び合っていく。
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第12話「ガーデン/始まりの庭」
©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会



「ダーリン・イン・ザ・フランキス」(ダリフラ)12話を視聴。今回はこれまで脇役組を掘り下げる中で埋もれてきたゼロツーの特異性が再び「はみ出す」お話。この第2章の構成は、そういう意味合いがあったのだろうなと思います。
ゼロツーは第13部隊の一員として受け入れられている状態ですが、この12話はゼロツーと彼らが異なることを次々と突きつけてゆきます。コドモ達にとって共通の故郷であるガーデンでの経験はゼロツーにはなく、また親衛隊である9'sの一員であったことが明かされたり、チームの検査もゼロツー1人を検査するための方便であることが推測される。角と牙は肥大し戦いは独断専行を増し、彼女が異なる存在であることは否応なしに強調されます。
ヒロは周りを見て、と言う。今のままの君が好きと言う。けれどそれはゼロツーにとってきっととても辛いことです。周りの人間を見れば見るほど自分が人間でないことを突きつけられるし、彼女は9'αいわく「人間の皮を被って」いて、ありのままの姿は赤い肌と青い血。同じだと言うヒロ達は、自分が彼らと違うのだと否応にも思わせる鏡なのでしょう。「同じ」ではきっと、ゼロツーを救えない。
けれどそうして違いを突きつければ突きつけるほど、ゼロツーとヒロ達は近づいているようにも思います。命令を守らずガーデンを行ったり自分たちがどこから来たのか疑問に思ったり他の部隊と違うと幾度か評されたり、ヒロ達の通常の部隊からのはみ出し方はどんどんと著しくなっていく。ゼロツーが人間からはみ出た存在であるように、彼らもまたオトナに従順なコドモとは「違う」存在になってきている。
ヒロ達はオトナになりたいと願う。ゼロツーは人間になりたいと願う。ヒロ達にはガーデンでの共通する思い出があり、ゼロツーにはヤドリギでの「ダーリン」との共通する思い出がある。両者は同じ存在ではないけれども、同じように渇望している。それは今度はゼロツーの方がヒロによって体を蝕まれていることからも言えるように思います。
ボロボロの爪のようにゼロツーの皮は剥がれ出し、内面ははみ出し始める。次回からのお話は、どのようになるのでしょうか。
関連:
ダーリン・イン・ザ・フランキス 感想リスト
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第1話「独りとヒトリ」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第2話「繋がるということ」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第3話「戦う人形」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第4話「フラップ・フラップ」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第5話「キミの棘、ボクのしるし」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第6話「ダーリン・イン・ザ・フランクス」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第7話「流星モラトリアム」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第8話「男の子×女の子」 *更新お休みのため欠番
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第9話「トライアングル・ボム」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第10話「永遠の街」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第11話「パートナーシャッフル」

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