まだ選ばないという選択――「シムーン」2話感想

いつか卵を割るとしても。
シムーン 第2話「青い泉」
©創通映像・スタジオディーン/シムーン製作委員会
「シムーン」2話を視聴。アーエルが暴くワガママと、熾烈なるネヴィリルのパル争奪戦。#simoun #シムーン pic.twitter.com/d9nSKaCB0r
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2018年4月15日
今回の話では、コール・テンペストのシムーン・シヴュラ達の多くが既に性別を選んで良い歳である事が明かされる。泉に行き性を選べばシムーンに乗れなくなる。「今は戦時だから」と大聖廟は性別を選ぶことを猶予し、また隊員達もそれを理由に泉に行こうとしない。#simoun #シムーン pic.twitter.com/SeBOAjsqqm
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だが、それなら選ぶ性は決まっているのかとアーエルに問われれば誰も答えられない。「戦時だから」をみな隠れ蓑にしているのだ。戦争してシムーンに乗っていれば選ばなくていいからと志願したアーエルが自覚的なだけで、他の少女達も選べないのは変わらない。#simoun #シムーン pic.twitter.com/6G23NrIqgC
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アーエルの言葉と、掟に従い泉に行くことにしたエリー。そして戦時であっても性を選びたいなら自由だというグラギエフの言葉は隊員達に「選ぶか、選ばないか」を改めて突きつける。そして彼女達は「まだ選ばない」事を選ぶ。その理由がある事を自覚する。#simoun #シムーン pic.twitter.com/UhUfRYbBV4
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今回選ぶことを選んだエリーは、かつても今もネヴィリルの世話をするのに幸せを感じていた。そして、怖いからネヴィリルに一緒に泉に行ってほしいという気持ちを覗かせる。覗かせるが、はっきりとは言わない。ネヴィリルは「お供する」事を決めるが自分も性を選ぶかは断言しない。#simoun #シムーン pic.twitter.com/9vR2Smwodb
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前回離脱した隊員は、パルと2人でパートナーになる事が示唆されていた。そこからすれば、エリーはネヴィリルにパートナーになってほしいというのが自覚しない1番の本音だったのではないか、と思う。#simoun #シムーン pic.twitter.com/8GoK3tXzr6
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泉に行くためににエリーとネヴィリルが乗る列車は、シムーンと同じように輪っか状のものを動力機関として動く。つまりこれは、エリーとネヴィリルがパル……パートナーになることを試行するのと同義なのだと思う。#simoun #シムーン pic.twitter.com/f0VvdRGGcJ
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けれどエリーは「選ぶことを選んだ」だけで「どちらを選ぶか」(同時に、誰を選ぶか)は決められていなかった。結果、エリーだけが男になり、自分も泉に入り性を選ぶことを検討していたネヴィリルは「選ばない事を選んだ」。#simoun #シムーン pic.twitter.com/uEH8t3EK0O
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男になったエリー改めエリフの姿は、今はまだ少女の時と変わらない。「何も変わってないわ、『エリフ』」とネヴィリルは新しい名を呼ぶ。きっとエリーが本当に変えたかったのはネヴィリルとの関係なのに、それは変わらなかった。#simoun #シムーン pic.twitter.com/b8uxBOEnQB
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失恋、と言ってしまっていいものだろうか。変えたかったものを変えられなかったというのは、それはそれで「変わった」ということだ。ボンヤリとしたままの選択は、ボンヤリとしたまま全てを終わらせてしまった。#simoun #シムーン pic.twitter.com/S9ug16mDss
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一方、シムーン・シヴュラである事が性選択の猶予として利用できる事に自覚的なアーエルは、パル(パートナー)選びについても自覚的だ。はっきり誘えないエリー、戦時だからを理由にネヴィリルを遺留しようとしたパライエッタと対照的に、アーエルは大声でネヴィリルを探し求める。#simoun #シムーン pic.twitter.com/YqcNoKBgmu
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初対面にも関わらず堂々と、そして最高のアウリーガ(操手)であるネヴィリルにサジッタ(航法士他)へのポジションチェンジを求める事になる組み合わせを望むアーエルの言動はぶしつけだ。どん底に落ちた神性を更に踏み抜くような先週の彼女の姿勢から一貫している。#simoun #シムーン pic.twitter.com/cwXyASAdzU
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けれどそのぶしつけさは、シヴュラ・アウレアとして誰からも(他の隊員からも)常に敬われる――神性を感じられているネヴィリルにとって新鮮なものだ。失ったパートナーのアムリアが、ネヴィリルに対して敬意よりも砕けた親愛を感じさせる接し方をしていたように。#simoun #シムーン pic.twitter.com/iFy09KEgH8
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冒頭、リ・マージョンの練習をするネヴィリルが描くのは翠玉のリ・マージョン。シミレで敵とがむしゃらに戦うアーエルが意図せず黒煙で描いていたのは、これも翠玉のリ・マージョンの航跡。離れていながら、既に2人はシムーンに相乗りしているに等しい。#simoun #シムーン pic.twitter.com/O8d27zB07Q
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アーエルは「下の」大聖廟までネヴィリルを送り自分の操縦、思考を見せ、帰る際にネヴィリルは自分達の船よりも「高く」飛んでくれとアーエルに願う。アーエルが神性をぶち抜けばぶち抜くほどネヴィリルと2人で高く飛べる。そんな予感がしたラストでした。#simoun #シムーン pic.twitter.com/YiP2TbrAXZ
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