死の水際で競え――「ゴールデンカムイ」5話感想
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白石は桜花忍法帖の皮膚坊の子孫だった……?
ゴールデンカムイ 第5話「駆ける」
©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会



「ゴールデンカムイ」5話を視聴。今回は3話で描かれていた「死中に活あり」の反復。そして、そういうことをしてのけるのは杉元だけではない……というお話だったように思います。
二階堂兄弟に殺される危機を逆に「医者に診せないと死ぬ」と思わせて脱出に利用する杉元は言うまでもありませんが、今回は様々な人物が危険に自ら飛び込んでいます。協力者になった白石は博打が好きだから杉元達に張る、上手く行ったら金塊を分けろと交渉します。また杉元と中直りしたアシリパも、オソマ(うんこ)にしか見えない味噌を口にしてみることで新たな味の喜びを知る。どちらもリスク、危険を冒すことでより大きなリターンを得ています。
土方は同じ新撰組隊士であった永倉に死に場所を求めているのではないかと問われますが、彼はむしろ自分はあと100年生きるつもりだと答えます。切った張ったをずっと続ける生活は死と隣り合わせですが、そういう常軌を逸した生き方でなければきっと、常軌を逸した長命もまた成せない。そもそも切った張ったの世界でやっていくために彼は「生き残りたくば死人になれ」と部下を鼓舞している。
東北マタギの生まれである谷垣すら驚かせる漁師・二瓶鉄造もまた、危険に飛び込むことで勝ちを得る姿勢を隠しません。あえてヒグマの巣の真正面に立って驚かせ、連発銃もあるのに単発銃、それも予備弾すら持たないことで覚悟を決めて挑みます。一理あっても危険の方が勝るやり方ですが、それによって彼は山の熊を根こそぎ狩ってしまうと言われるほどの腕を得ている。
さて、杉元一味に刺青人皮を集めさせた方がいいという鶴見中尉の判断は果たして奪われるリスクをとった活路なのか、それとも横取りの楽を取った失敗の道なのか。状況は混沌としてきました。
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ゴールデンカムイ 感想リスト
ゴールデンカムイ 第1話「ウェンカムイ」
ゴールデンカムイ 第2話「のっぺら坊」
ゴールデンカムイ 第3話「カムイモシㇼ」
ゴールデンカムイ 第4話「死神」

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