差異と一致の両輪――「ダーリン・イン・ザ・フランキス」18話感想
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今後2人を見るフトシの心労が心配。いやあんな状況だからなおさらに。
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第18話「桜の花が咲く頃に」
©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会



「ダーリン・イン・ザ・フランキス」(ダリフラ)18話を視聴。前々回、イチゴ達の方こそゼロツーと同じ……と書きましたが、今回はそれをより小さな単位で、あるいは別の存在にまで広げて証明し、更には逆に異なるものまで描いていったように感じました。
今いる場所を出る前にする結婚の約束、成される前に妨害されるそれ、記憶を操作し無かったことにされる思い……今回ミツルとココロがたどった結末は、かつてヒロとゼロツーが受けた仕打ちと同じものです。男が殴られるところまで一緒なのは胸糞悪さにいっそ笑えるまである。正しくコドモ達とゼロツーは同じでした。
同じであることは、共感を呼びます。イクノの告白はことごとくがイチゴのヒロに対する思いのきっかけや変遷と重なっていて、だからこそイチゴはその思いがどれだけめんどくさいものなのかを想像することができる。絶対に叶わないそれを肯定することができる。ゴローが言うようにみんな何かしら問題を抱えていて、それが思いやりになる。
一方で、同じものがあれば違いはいっそう際立ちもします。イクノは性別なんてめんどくさいと9'sと同じことを考えていたけれど、それが無ければ自分は自分でないし他人も他人でなくなってしまうと気付きます(自分のために怒ったあの平手打ちが結果的に他人のためと「同じ」効果を持つあたり、人を重んじるということは何なのか示唆するようだ)。
13部隊のコドモ達を放置しつつもずっと「見ていた」ハチは、ミストルティンに乱入した9'αにいつもと「同じように」「見て」いればいいと言われます。結局彼はミツルとココロが連れ去られるのを見ているだけなのは同じでしたが、その場に駆けつけ汗を浮かべていたことは明らかにこれまでの彼とは違う。そして彼の過去もまた記憶操作が関わっている点では「同じ」ですが、ナナとパートナーではなかった点で「違う」こともまた描かれていました(そして過去を回想しながらハチはナナの独房に入ることなく、やはり見ているだけ)。
得体の知れぬ一丸に見えたAPEもまた、前回の暗殺未遂で全員が同じ存在ではないことも明かされます。今回の出来事は、ガーデンの中にいようが外に出ようがコドモ達の立場が「同じ」であることをヒロ達に突きつけました。オトナと彼らが「違う」こともまた。同じことと違うことは初期から描かれてきたものですが、この上どのように昇華されるのでしょう。
関連:
ダーリン・イン・ザ・フランキス 感想リスト
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第1話「独りとヒトリ」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第2話「繋がるということ」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第3話「戦う人形」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第4話「フラップ・フラップ」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第5話「キミの棘、ボクのしるし」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第6話「ダーリン・イン・ザ・フランクス」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第7話「流星モラトリアム」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第8話「男の子×女の子」 *更新お休みのため欠番
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第9話「トライアングル・ボム」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第10話「永遠の街」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第11話「パートナーシャッフル」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第12話「ガーデン/始まりの庭」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第13話「まものと王子様」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第14話「罪と告白」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第15話「比翼の鳥」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第16話「ぼくたちの日々」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第17話「楽園」

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