争えぬ血、巣立ちの日――「コードギアス 反逆のルルーシュ III 皇道」感想
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その先に続く道は?
コードギアス 反逆のルルーシュ III 皇道
©SUNRISE/PROJECT L-GEASS Character Design ©2006-2017 CLAMP・ST
「コードギアス 反逆のルルーシュ III 皇道」を視聴。本章を見終えて感じたのは、シャルルとルルーシュは親子であり、ルルーシュとナナリーは兄妹なんだな、ということでした。
ルルーシュはシャルルの行いを一方的な善意の押し付けであると糾弾しましたが、これゼロレクイエムも同じなのですよね。ナナリーのために世界を変えようとしたルルーシュに対して、ナナリーは兄と2人いられればそれで良かったのだと彼の死に際に語ります。シャルルのやったこともルルーシュのやったことも、相手にとってみればある種のお節介に変わりありません。ゆえにダモクレスでの対峙においてナナリーは「誰がそんなこと望みましたか」と叫び、またそれはルルーシュがシャルルを否定した時の叫びとも呼応するのです。
ナナリーは死んだと思われていたためにその存在はルルーシュの策から外れ、その成長もまた彼の想定を超えている。あの瞬間は正しくナナリーが一人立ちする瞬間であり、すなわち本作で大切に描かれてきた「人間扱い」される瞬間だったのでしょう。そして、人間扱いすればこそルルーシュはナナリーにギアスをかけるのです。人間を道具にするギアスは、逆に言えば人間でなければかける対象にならない。ギアスは願いに似ている、という反転は、この時始まっていたのだと思います。
同時に、ナナリーが憎しみをダモクレスとフレイヤに集めようとしたことは、比べてみればルルーシュが悪逆皇帝として憎しみを集めた事とさほど遠くありません。そういう意味で2人はやはり兄妹であり、そして通じてもいる。その役を奪ったのは、兄から妹への最後の手向けなのでしょう。人間扱いされなかった少年は自分も他者も徹底的に駒(非人間)として扱い、それによって人間扱いを取り戻したのでした。
ルルーシュの真意は一部の人間に通じ、受け入れられました。ただ、だからそれは一方的な善意の押し付けやお節介ではない……と言えるのかは、正直よく分かりません。主犯が自分を供物に捧げて逝ってしまったのだから、皆このお膳立てを受け入れる他ない。ナナリーが言うように、それは彼はズルいことではないかな、と思います。
さて、このモヤモヤは僕の無理解なのか、それとも続編のためのものなのでしょうか。復活のルルーシュ、楽しみに待ちたいです。
しかしカレンは本当にエロくて困る、画面に映るとどうしても視線が彼女を追いかけ回してしまいます。こんなんゴールデンカムイの二瓶でなくても堪らんわ。
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