跡の濁りに――「ゴールデンカムイ」10話感想
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静岡出身と聞いてがぜん二階堂に親近感。
ゴールデンカムイ 第10話「道連れ」
©野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会



「ゴールデンカムイ」10話を視聴。冒頭、谷垣は「どんな獲物も、痕跡を残さず逃げる方法など無い」と語りますが、今回の話では「痕跡」が大きな意味を持っているように感じました。
谷垣は様々なハンディを負った状態から尾形に1発くれてやるわけですが、そのきっかけになったのはヒグマの足跡や残した鹿といった「痕跡」でした。尾形の居場所を明らかにしたのもまた、発砲煙という「痕跡」です。鶴見中尉とのやりとりにしても尾行は痕跡を追うことですし、二階堂の残った片耳という痕跡は拷問の道具にされる。そして双子の「痕跡」である二階堂浩平は、片割れを殺した杉元に対する憎悪の痕跡を消しきれず鶴見の口車に乗る。
アシリパの父の友人であるキロランケもまた、多くの痕跡を持つ人間です。その場にいない父の旧友であるというのが既に痕跡であるし、かつて第七師団に所属していたり工兵であった痕跡は杉元の警戒心をかき立てずにはおかない。そして彼の話によって、アシリパにロシアの血が混ざっていることやその和名を土方が聞いた意味、のっぺらぼうの正体ってもしかして……?という先週の痕跡(伏線)もまた回収されます。しかしまあ、人魚の話の痕跡が白石の体を張ったギャグになるとは思わなんだw
「死ぬべき時に死ねない」「死にぞこない」は、言ってみれば存在そのものが痕跡です。さて、札幌で杉本達を待ち受けているものやいかに。
関連:
ゴールデンカムイ 感想リスト
ゴールデンカムイ 第1話「ウェンカムイ」
ゴールデンカムイ 第2話「のっぺら坊」
ゴールデンカムイ 第3話「カムイモシㇼ」
ゴールデンカムイ 第4話「死神」
ゴールデンカムイ 第5話「駆ける」
ゴールデンカムイ 第6話「猟師の魂」
ゴールデンカムイ 第7話「錯綜」
ゴールデンカムイ 第8話「殺人鬼の目」
ゴールデンカムイ 第9話「煌めく」

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【言及】
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