顔は口ほどに語り、顔は口のように嘘をつく――「ゲゲゲの鬼太郎(6期)」15話感想
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納得のゆかなキャスティング。
ゲゲゲの鬼太郎(6期) 第15話「ずんべら霊形手術」
©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション



ゲゲゲの鬼太郎、6期15話を視聴。「見えてる世界がすべてじゃない」とは本作のキャッチフレーズですが、今回は「心の内」が見えたり見えなかったりするお話であったように感じました。ゲストである房野きららは自分の醜い顔に悩んでいるわけですが、彼女の顔に対する反応は全てが口に出されるわけではありません。例えば大人の配達員はさすがに「醜い」とストレートに表現するような事はない。けれどその驚きと冷や汗をかいたままの「顔」は雄弁にその心の内を語っている。鬼太郎にしても霊形手術を受けた娘をずんべらの所に連れて行くよう迫る時の様子はねずみ男に「怖い顔」と言われ、つまり顔で「連れて行かないとただじゃ済まさない」と語っているのです。
顔が見えなくても心の内が容易に分かる。そういう事はあります。霊形手術を受けた娘達は顔を失いずんべらの所に連れて行ってもらいますが、そこでの彼女達の「心の内」は顔がなくとも手に取るように伝わってきます。驚きや恐怖は仕草で分かるし、死人の顔を見るきららに対して多くの視聴者はそれに魅了された彼女の心の内を幻視したはずです。
そして同時に、顔や仕草で語るようであっても「見えない」ものも「見せない」ものもある。ユウスケがきららに恋していたという事実はずっと彼女には「見えて」いなかった。そして同時に、顔が変わることでどれだけ世界が変わるかというのも自分には「見えて」いなかった。故に彼女は本心を(少なくとも全ては)「見せる」ことなくその場をやり過ごし、再び美しい顔を手にするのです。まさしく「見えてる世界がすべてじゃない」――鬼太郎の世界は見えないものを見せてくれますが、同時にそれが底知れない深淵でもあることを見せてくれたのが今回であったように思います。
ところで、霊形手術って髪にも効くんでしょうか?
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