とこしえの過程――「ダーリン・イン・ザ・フランキス」24話(最終回)感想
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いつまでもいつまでも。
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第24話(最終話)「わたしを離さないで」
©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会



「ダーリン・イン・ザ・フランキス」(ダリフラ)24話を視聴。改めて本作は、過程をこそ称揚する物語であったように感じました。
ヒロとゼロツーは(機能が備わっていない故に)子を残すこと無く、VIRMも滅ぼすことはなく、生きて地球に戻ることもない――結果だけ見ればまさしく彼らは消えていったわけですが、ならばそれが無駄だったのかと言えばそんな事はありません。VIRMが再び現れるまでの猶予を作ったのは彼らだし、2人の存在が13部隊に、そして他のコドモ達を様々に導いていった(まるでミストルティンの土が広がることで少しずつ大地に生命力が戻るように)。彼らという過程が無ければ、地球も人々も滅んでいたはずです。
同時に、ヒロ達もまた導くだけではなく他者から育まれる存在でもありました。「愛してる」という概念には2人は結局自力ではたどり着けなかったし、2人の魂が地球に戻るにしてもそこが滅んでいれば帰る先はなかった。イチゴが言ったように彼女達が繋いで(過程を作って)くれたからこそ、2人はもう一度出会って新たな物語を始めることができました。絵本の続きを描き変えたのは、具体的にもイチゴ達でもあるのです。
上述したように、過程を作るとは繋ぐということです。そしてそれは生物が子を成すということでもあるけれど、それだけではない。9'sの犠牲で開けた道も。食物を育てて加工し命の糧とすることも。研究で他を救うことも。子供達を教え導くことも。全てが全てやり方は違っていいのです。イチゴ達がヒロ達から学んだことが1人1人違うように。時間という縦軸の繋がりと社会性という横軸の繋がりは、まさに空間を越えて「繋がる」ということなのでしょう。手を繋ぐということなのでしょう。物語序盤に退場し片腕を失っていたナオミの存在も含まれていたことは、彩りをより豊かにしていたように感じました。
僕にとって本作は、人々の歴史、そしてロボットの出てくるアニメの歴史といった、そういう「過程」に対する感謝を認識する作品でした。そこから先の新しい道のりは、視聴した人々がそれぞれ自ら過程を作っていくものなのだと思います。スタッフの皆様、お疲れ様でした。
関連:
ダーリン・イン・ザ・フランキス 感想リスト
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第1話「独りとヒトリ」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第2話「繋がるということ」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第3話「戦う人形」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第4話「フラップ・フラップ」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第5話「キミの棘、ボクのしるし」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第6話「ダーリン・イン・ザ・フランクス」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第7話「流星モラトリアム」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第8話「男の子×女の子」 *更新お休みのため欠番
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第9話「トライアングル・ボム」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第10話「永遠の街」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第11話「パートナーシャッフル」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第12話「ガーデン/始まりの庭」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第13話「まものと王子様」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第14話「罪と告白」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第15話「比翼の鳥」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第16話「ぼくたちの日々」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第17話「楽園」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第18話「桜の花が咲く頃に」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第19話「人ならざるモノたち」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第20話「新しい世界」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第21話「大好きなあなたのために」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第22話「スターゲイザー」
ダーリン・イン・ザ・フランキス 第23話「ダーリン・イン・ザ・フランキス」

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