始まりが勘違いでも――「ガンダムビルドダイバーズ」19話感想

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ガンダムビルドダイバーズ 第19話「ナデシコアスロン」
© 創通・サンライズ・テレビ東京



　「ガンダムビルドダイバーズ」19話を視聴。エミリアは参加するつもりの無かったナデシコアスロンを、似合わないと言われたと勘違いして思わず参加登録をしてしまいますが、今回はそのように「勘違い」を多く描いた回だったように思います。

　例えばコーイチはナナミがGBNの世界に興味を持つとは思っていなかったわけですがそれは勘違いで、海外のファッションブランドなどの参加があれば当然彼女も興味を持ちます。
　例えば百鬼のローズは当初こそイメージガールなんて興味無いと語るわけですがそれをそのまま受け取るのは視聴者の勘違いで、実は彼女も興味津々だったりする。
　例えばナデシコアスロンはガンプラバトル無しという触れ込みからダイバー姿だけが影響するものと思いきやそれは勘違いで、写真やトントン相撲などガンプラを使って何かしらをするというのは変わらなかったりします。
　そして競技に対するローズの勘違いは、彼女を苦しめもすればレースの続行が危ぶまれた状況を切り開きもしました。勘違いとは良きにつけ悪しきにつけ、物事を動かす原動力となりうるのです。GBN自体、データ上だけにしか存在しないものをある種の別世界として「勘違い」することで楽しむものであるわけですしね。
　さて、ブレイクデカール事件後のバグはサラに原因がある、というのを感じさせるのがここ数回ですが、果たしてそれは「勘違い」なのか。いずれにせよ、それは残りの話数において物語を動かす大きな力になりそうです。

　余談として、今回勘違いが解消されたのはけしてローズ達だけではないんだろうな、と思います。リク達はGBNの世界でバトルに限らない様々なガンプラ遊びをしてきたわけですが、今回の競技はそんな彼らをしてこんな楽しみ方があるのだと感じさせるものでした。「ガンプラは自由」というのを分かっているつもりでもまだまだリク達も勘違いしていて、理解のただ中にあります。
　またナミにしても、コーイチからは今回限りの参加だろうと思われていたのがレースを通してGBNそのものにより強い興味を持つことになりました。ガンプラバトルをするだけが楽しみではないしガチ勢だけのための世界でもない、でももちろん、やってみてもいい。今回がバトルではなくレースで全員1着という結果を迎えたのは楽しみ方の優劣の無さを示すものでしょうし、また、ナミにとってGBNへの「勘違い」を解消してくれるものだったのではないかなと思います。

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