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善と悪の二重――「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」1話感想


 最初のDIOっっぽさが薄れてさわやかさアップ。



ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第1話「黄金体験(ゴールド・エクスペリエンス)」
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/ 集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会
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 「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」第1話を視聴。進度で行けば原作100ページ分ほどですが、内8ページ分はおそらく来週送りでしょうかね。冒頭、ジョルノはチョコレートとピスタチオの「二段ジェラート」を「2つ」買うことで1つをくれてやります。そのように今回の話では「二段」「二重」といったものが重視されているように感じました。

 風光明媚な町並みと退廃的な裏路地、「ライセンス」の無いタクシーがいないか熱心に監視すると同時にショバ代を求める警官、ギャングへの恐れが生む逆説的な治安……ネアポリスの街は二面性に満ちています。それはそこで暮らすジョルノもまた例外ではありません。財布まるごとの窃盗から守ってあげる一方で代金とばかり自分も中身の一部をちょろまかす。その足で訪ねたジェラート屋では善意100%のことをしてやるかと思えば、康一へのタクシーの誘いはにこやかな営業トークまでそのまま盗みのための導線になっている始末(チップなしだから荷物は自分で運んでほしい=前の席へ荷物を置かせれば必ず、客だけが車外という状況が発生する)。2つの国の血、2色の地毛、2人の父親、2つの名前……二面性、二段重ねといった性質はジョルノも例外ではないというより、むしろ彼に特に顕著なものです。

 随所で描かれるようにネアポリスでは光と闇が交錯し、主人公たるジョルノの行為もまた善と悪を行き来します。その二段重ねは悪から善を引き出すことができるということと同時に(彼は康一の攻撃=自分への悪意からすら善意を読み取ってみせる)、彼自身がいつ危険や闇に引きずり込まれてもおかしくないということでもあります。この1話では「場所」というものがそこにいる人間の「世界」として活用されており、涙目のルカが金網の向こうからジョルノを連れ込んだ空港のはずれはジョルノと隣接するルカの世界だし、ジョルノ1人のスペース同然(=ジョルノの世界)だった列車内にブチャラティは踏み込み、ルカの目玉で列車内をジョルノを閉じ込める檻(=ブチャラティの世界の中)に変えてしまう。もちろん列車内にも他の乗客はいるのですが、ブチャラティはギャングらしい脅しで自分の世界から追い出してしまいました。

 それにしても今回、シーンそのものと同時にシーンの描き方にも「二重」「二段」が多用されていて面白いです。ルカがヤキを入れた男に最後にスコップを叩きつける場面ではその音と車の止まる音が二重になっているし、彼がジョルノにブチキレる場面や康一が荷物の行方をまくし立てる場面、ブチャラティがルカの指に触れる場面などでは台詞が二重になっている。何よりOP・EDがなく3度に渡って提供クレジットやCMが入る今回は事実上4パート構成、AB2パートで構成される通常のアニメの感覚で言えば「1話分の二段重ね」なのですから。道理で変な視聴感覚に僕が陥ったわけだ。
 原作の雰囲気を崩すことなくグイグイと攻めるこの姿勢、これからがとても楽しみになる始まりでした。


 さて、原作との違いで特に興味深かったポイントをいくつか。

<心の声を語らない康一>
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 原作では4部同様に語り部的なポジションから始まった康一の心の声はばっさりとカット。4部のような出番があるわけではないこと、また原作と違い4部から間が空いていることから、誰が主人公か分かりづらくなるのを防ぐためにも良い判断だと思います。一方で空港に降り立った直後に写真を見てポケットにしまうことで、荷物を盗まれても違和感なく康一の手元に残るようになってもいたり。

<私室兼研究室>
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 原作では承太郎が電話を受ける部屋は比較的簡素な作りでしたが、アニメでは海洋学者らしく蔵書や標本、水槽もある部屋に。ヒトデの装飾が星型というのがお洒落ですね!4部ラストで承太郎がヒトデの論文を書いたのってそういう……? これにより部屋は承太郎の「世界」としての色彩を強めています。ジョルノについて調べることはイコール、承太郎にとって忘れられないあの旅に触れることですからね。


<コインの持ち主は>
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 原作では本当に落ちていたコインは、転がる音から描かれるように変更。上述したようにその瞬間まで席付近はジョルノの「世界」だったわけで、拾う様子と合わせてそこに波紋を起こし立ち入るのがブチャラティであることであるのが感じられるようになっています。原作では「ポイッ」という感じで軽く蹴り「捨て」られていたルカの指が、アニメでは溜めた後で蹴飛ばされることで「始末された」印象を強めているのもポイント。

関連:
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 感想リスト

2013年冬アニメ 視聴予定リスト(1部2部感想リスト)
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 感想リスト
ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない感想 リスト
「岸辺露伴は動かない」富豪村 ツイート感想

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4 Comments

tara  

声だけでなく演出面でも爽やか度が増してましたね。
飄々とした芝居が期待以上にハマってましたv

畳み掛けるようなテンポも5部らしくて良かったと思います。
あえて不満を挙げるとすれば、エコーズでジョルノの車を止めた時の康一くんのドヤ顔をアニメで観れなかったのが残念w

写真をポケットに仕舞う描写には気づきませんでした。
相変わらず細やかに原作を補完してくれていて安心できますね(^^)

2018/10/07 (Sun) 19:22 | EDIT | REPLY |   

闇鍋はにわ  

>taraさん

>声だけでなく演出面でも爽やか度が増してましたね。
>飄々とした芝居が期待以上にハマってましたv
 ジョルノ役としては3人目になりますが、アニメ版はたくさんの台詞を聞くのに向いたキャスティングだと思います。違和感なく馴染んでくれました。

>畳み掛けるようなテンポも5部らしくて良かったと思います。
>あえて不満を挙げるとすれば、エコーズでジョルノの車を止めた時の康一くんのドヤ顔をアニメで観れなかったのが残念w
 あのドヤ顔はジョルノの表情への言及を引き立てますからね。モノローグ削ったのならあれでアリと思いますが、残念な気持ちは分かりますw

>写真をポケットに仕舞う描写には気づきませんでした。
>相変わらず細やかに原作を補完してくれていて安心できますね(^^)
 そういうところホント外しませんからね。心配無用!と感じます。

2018/10/08 (Mon) 08:47 | EDIT | REPLY |   

ロゴ  

もう手慣れたものです。
この作品に関しては言う事ないですね。

で、関係ない話ですが、某くらげさんがキャラデザのミニスカ忍者アニメに人を舐めると体調が分かる娘が出てくるんですが、何の偶然でしょうかね。
「この味は…睡眠不足の味だぜ…!」
1話のサブタイトルが「ゴールデン スピリッツ」とか。

2018/10/13 (Sat) 13:21 | EDIT | REPLY |   

闇鍋はにわ  

>ロゴさん

>もう手慣れたものです。
>この作品に関しては言う事ないですね。
 安心オブ安心

>で、関係ない話ですが、某くらげさんがキャラデザのミニスカ忍者アニメに人を舐めると体調が分かる娘が出てくるんですが、何の偶然でしょうかね。
>「この味は…睡眠不足の味だぜ…!」
>1話のサブタイトルが「ゴールデン スピリッツ」とか。
 シリーズ構成のタカヒロさんはパロディをよく使われるので、放送時期が完全に被ったのは偶然か分かりませんがそこから狙った印象を受けます。

2018/10/13 (Sat) 14:19 | EDIT | REPLY |   

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