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辻谷耕史さんを悼んで



 声優・音響監督の辻谷耕史さんが脳梗塞で2018年10月17日に亡くなられていたことが昨日ニュースになりました。知ったのはTwitterでつぶやいたゴールデンカムイの感想をブログにまとめようと(埋め込もうと)していたその時で……もし感想を書く前でしたら、その日の更新はお休みにしていたことでしょう。僕はそれから1時間以上、その死を悼むTLを呆けた顔で見続け、時には語り感情を共有し、どうにか床に着き。そして翌朝、未だTwitterのトレンドに辻谷さんの名があることを確認してため息をついたのでした。
 こうしてブログに書こうと思ったのは、重い気持ちをひきずりながら朝の準備をしている最中です。アニメ他の感想のためのブログになっていますが、元来ここは何をテーマにしても構わないのでした。


 辻谷さんがバーナード・ワイズマンを演じた「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」が僕にとって聖典とも言える作品であることは時折書いていますが、漫画版と小説版が先で、実際にOVAを見たのは後年になってからでした。ですから、最初に声を聞いたのは別の役になります。調べてみましたけども、「からくり剣豪伝ムサシロード」のウシワカ? 「SDガンダム外伝」の騎士ゼータ? 「勇者エクスカイザー」のゲストキャラ? どれだろう。今となっては分かりません。

 たくさんのキャラを演じられた方でした。素っ頓狂だけど人好きのする「不思議の海のナディア」のエアトン伯爵、穏やかな口ぶりに危うさの混じった「幽☆遊☆白書」の樹、野趣と力あふれる選手達の中で1人スラリとした印象の際立つ「SLAM DUNK」の藤真、懸命さの感じられる「ストリートファイターII V」のリュウ、少ない口数で比類ない存在感を放っていた「たまこまーけっと」のマスター……「交響詩篇エウレカセブン」のデューイはまだ自分の中で掴めてない……「宇宙の騎士テッカマンブレード」のマルローもさすがに記憶から抜けている……

 「戦国BASARA」の浅井長政はその強過ぎる正義感が偏執的ですらあることを格好良く演じていて、実装当時はプレイアブルキャラで無いことをとても残念に思ったものです。その後シリーズを遊ばなくなってしまったので、結局彼を使うことは無かったな。
 「覇王大系リューナイト」のガルデンは実際のところ、バーニィより先に声を聞いたのではなかったかな。前半の悪役ぶり、後半の自らの出自を知って悩む姿のどちらもが美しく演じられていました。
 「機動戦士ガンダムF91」も今の視点でもう一度見直した方がいいんだろうなあ。まさしく見本のような好青年だったシーブックと、クロスボーン・ガンダムで良い兄貴分になっていたキンケドゥを映像で繋げて認識したかった。
 視聴していない「無責任艦長タイラー」のタイラーや「犬夜叉」の弥勒、「3×3 EYES」の八雲、Gジェネなどでのマット・ヒーリィなどもキャラを見るとああ、なるほど辻谷さんだろうなと思います。


 音響監督として辻谷さんが関わられた作品はそれほど多くは視聴していませんが、最近視聴の終わった「シムーン」では、そのお仕事ぶりの一端を知ることができ、恐ろしくすらなりました。精魂を込めるという言葉がぴったりの力の入れようで、こんなにエネルギーを使って大丈夫なんだろうか、と思ったほどです。

蔵出シムーン・シヴュラ 辻谷耕史(音響監督)

 Twitterでトレンドでお名前だけ出ているのを見た瞬間、上記のお仕事ぶりが頭をよぎって、開く前には訃報であるという覚悟ができました。でも、それでも耐えられなかったからこういう記事を書いているわけでもあります。そうでもしなければ、踏ん切りがつきそうもない……

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機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 第6話(最終回)「ポケットの中の戦争」より
©SOTSU・SUNRISE


 最近になってポケットの中の戦争を見返し感想を書いた際、悩みそうだったのはバーニィのビデオレターの「嘘」の割合だったのですが、BD-BOXのオーディオコメンタリーで辻谷さんはこんなことを明かされていました(以下、書き起こし)。

辻谷耕史(以下、辻谷)「後日談なんだけど、あの、最初『合わないから』って言って、5話かなんかの時に1回これ全部読んだんだよね。読んで、読んだ奴に絵が合わせてくれた」
林原めぐみ(以下、林原)「あーそうだ!」
浪川大輔(以下、浪川)「へー!」
辻谷「これ合わせることはできないだろうって判断でさ(笑)」
林原「そうだ」
辻谷「そうそう、1回録ったのそれ」
林原「君の気持ちでやりなさい、みたいな」
辻谷「そうそうそのままの気持ちでやってくれって言われて」
浪川「じゃあこのホントに微妙に動いてる笑顔だったりとか、ちょっとした顔の動きって言うのも合わしてくれてるんすね」
辻谷「うん、もちろんあのアフレコは当然やってるんだけど、でもやっぱり合わないの、それでも(笑)」
林原「合わせに行っちゃうとね、合わせに行っちゃうからね」
辻谷「そうそう」
林原「自然な流れでやらしてくれたんだ。いい現場だったなあ」


 嘘をついているとか本当とか以前に、アルにかけたあの言葉の全部がバーニィで、全部が辻谷さんだった。最終回の感想を書けたのは、このお話のおかげと言っても過言ではありません。

 やりたいことはまだあったでしょう。1視聴者としても、やってほしいことはたくさんありました。でも辻谷耕史さんのお仕事は常に精一杯のもので、全てがやり遂げたものだったのだと思います。そしてそれでもやはり、もっとたくさんの辻谷さんの声と、もっとたくさんの辻谷さんの作り込んだ音を聞きたかった。
 どうして僕は辻谷さんがTwitterをしていると知った時にフォローして、ポケ戦が大好きだって伝えようと思いつかなかったんだろう。どうして……
 あなたがバーニィでよかった。辻谷耕史さん、本当に本当に、ありがとうございました。
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2 Comments

月詠  

こんばんは。

本当に若過ぎるというしかありません。私自身は、某ネットニュースで知ったのですが、たぶん声優さん含めて著名な方の死を知って初めてリアルに「は?」と口から自然と声が漏れていました。それからは呆然自失な感じながらも、淡々とマウス片手に情報収集って感じで…。

クロスボーン人気が高まりつつある現在、『ハサウェイ』の劇場アニメ化が決まり、「次こそは?」と期待するファンも多いようですが、キンケドゥ(シーブック)の声が辻谷さんじゃないクロスボーンガンダムにどれほどの価値があるのか、というと大げさかもしれません。ただ、複雑な気持ちではあります。やっぱり辻谷さんの声で聴きたかった…まぁ、アニメ化決まったわけじゃありませんけど。

私もBlogに追悼の記事を書かせていただきましたが(その節は、コメントありがとうございました)、自分の気持ちを自分が想う通りの長さで書けるのはBlogの利点だな、と思ってしまいました。こういう哀しい記事で再確認するのではなく、もっと嬉しい記事で「文字数気にせず長文かけるって良いな」と再確認したかったです。

2018/10/25 (Thu) 23:25 | EDIT | REPLY |   

闇鍋はにわ  

>月詠さん

 こんばんは。

>本当に若過ぎるというしかありません。私自身は、某ネットニュースで知ったのですが、たぶん声優さん含めて著名な方の死を知って初めてリアルに「は?」と口から自然と声が漏れていました。それからは呆然自失な感じながらも、淡々とマウス片手に情報収集って感じで…。
 似たり寄ったりですね。生まれてこの方1番ショックを受けている役者さんの訃報ではないかな……と感じています。翌日もしばらく落ち込みに囚われていました。

>クロスボーン人気が高まりつつある現在、『ハサウェイ』の劇場アニメ化が決まり、「次こそは?」と期待するファンも多いようですが、キンケドゥ(シーブック)の声が辻谷さんじゃないクロスボーンガンダムにどれほどの価値があるのか、というと大げさかもしれません。ただ、複雑な気持ちではあります。やっぱり辻谷さんの声で聴きたかった…まぁ、アニメ化決まったわけじゃありませんけど。
 どうなのでしょうね。明朗快活な長谷川裕一さんの漫画をアニメにすることこそ、むしろ慎重な手付きが要求されるのではないかな……と個人的には感じているのですが。ただ、アニメになるのであればそのための重大な一角が欠けてしまったのは誰も否定出来ないのではないかと思います。

>私もBlogに追悼の記事を書かせていただきましたが(その節は、コメントありがとうございました)、自分の気持ちを自分が想う通りの長さで書けるのはBlogの利点だな、と思ってしまいました。こういう哀しい記事で再確認するのではなく、もっと嬉しい記事で「文字数気にせず長文かけるって良いな」と再確認したかったです。
 そうですね、Twitterのつぶやきだけでは吐き出しきれていないのを感じて同じように利点を感じましたが、やはり悲しいものです。こちらこそコメントありがとうございました、ですが……本当に残念なニュースでした。

2018/10/26 (Fri) 23:41 | EDIT | REPLY |   

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