緻密に思考し、大胆に動け――「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」7話感想
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ミュージックビデオ拷問とかまたスタイリッシュな。
<お知らせ>
用事により、明日の鬼太郎感想は遅れます(文だけ先に、ともならない)。再びすみません。
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第7話「セックス・ピストルズ登場 その1」
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/ 集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会



「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」7話を視聴。今回は原作50ページ少々。原作3話分に満たなかったのはシリーズ通してこれが初めてでは……?
今回のお話は「見えないもの、不確かなもの」に突っ込むものだったのではないかな、と思います。確かなものがほとんどないのですよね、この7話。ズッケェロの仲間がどんな奴なのかも、そいつがズッケェロの失敗に気付いた場合にジョルノ達がどこまで損害を受けるかも分からないし、更には無線で呼びかける作戦が上手くいくかどうかなども賭けだったりする。本シリーズでよく見られる、確信を持って行動したのに裏をかかれる……という状況ではないわけです。
不確かな状況を少しでも確実にするためには、緻密な観察や思考が必要です。ブチャラティは尾行する船がいないという事だけで危険の有無を判断しないし、ズッケェロの行動を正確にリプレイしたアバッキオはジョルノが相手の顔を知らないという緻密さの不足を指摘する。ミスタにしても敵を撃った後はいささかくどい程に思考を巡らせ、相手の能力や居場所を推測していきます。
しかし先に述べたように今回は全てを見通すことができないお話であり、ジョルノ達はどこかで緻密さを諦めて荒っぽく行動しなければなりません。拷問して敵スタンドの能力を探ることを時間的に諦め、可能性にかけてジョルノ達は島に先行し、相手を呼び出す罠を仕掛ける。ジョルノは敵が無線に出ているという情報をミスタだけに伝える緻密さを諦め、ミスタと敵の両方に状態を伝える荒っぽい方法を選択します。
緻密さと荒っぽさ。相反するものを束ねて未来に結びつけるのが何か……と言えば、それはやはり本作が繰り返し描いている「信頼」なのでしょう。仲間にすらスタンド能力は秘密というのが珍しくない(アバッキオさん乙)中でジョルノは惜しげもなく自分の能力を明かし、ミスタもまたそれに応えるように自分の能力をジョルノに見せます。またミスタのスタンドであるセックス・ピストルズは6人それぞれが独立した自意識を持った存在であり、彼らに働いてもらうには相互の信頼関係が欠かせない。貴重な時間を割いてまで昼食を食べさせるミスタを信頼しているからこそピストルズは昼寝は後回しにするし、そんな彼らを信頼しているからこそミスタはシャッター越し(=見えない)の敵に向かって当てるつもりで射撃を行えるのです。
相も変わらず敵の正体は不明瞭、近づくのは危険――しかし緻密にやっていては敵がトラックで逃げてしまうこの状況で、ミスタは相手がどう出るか分からないところに突っ込む荒っぽい方法を選択します。近づかれてもやられるわけがないという自分への信頼と、100億とブチャラティへの信頼ゆえに。今回のラストは本来は話の途中なのですが、こうしてみると絶妙の切り時であったように感じました。


今回の原作との印象的な差異は上に述べたラストに持ってくる部分なのですが、それ以外だとリプレイされたズッケェロがスタンドのオーラをまとっていることでしょうかね。前回はムーディー・ブルースがナランチャに変身する場面が直に描かれていたのですが、今回は再生中から始まるのでこう描いた方が区別をつけやすくて良いと思います。
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