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歪みが必然を生む――「ゲゲゲの鬼太郎(6期)」33話感想


 ゲストがもいもいとはクレジットを見るまで気付かず……



ゲゲゲの鬼太郎(6期) 第33話「狐の嫁入りと白山坊」
©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション
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 「ゲゲゲの鬼太郎」6期33話を視聴。今回は因果律を歪める力を持つ白山坊をゲストとしたお話だったわけですが、その力は「異なる結果に同じ道理がある」こと、「同じ結果に異なる道理がある」ことの両方を体現していたように思います。

 例えば、鬼太郎に相談を持ちかけた富豪は商売上の幸運に恵まれますがやよいは日常生活で多くの不幸に襲われていました。幸運と不幸は別の結果ですが、それはいずれも白山坊が因果律を歪めたから――「異なる結果に同じ道理がある」から生まれたものでした。

 例えば、鬼太郎とアニエスは白山坊に娘を奪われると悩む富豪のところへ行きますが、その理由は同じものではありません。鬼太郎は妖怪ポストで相談を受けたからであり、アニエスは指輪が出現する予兆を掴んだから――「同じ結果に異なる道理がある」からこの同時行動が生まれたのでした。

 この2つの因と果を象徴するように、物語は行き来します。娘をさらう人食い妖怪の話かと思えば約束を破ろうとする男の身勝手さが原因であったし、単なる妖怪悩み相談に終わらず西洋妖怪が現れて事態は混迷し、砂かけばばあは結界が逆に自分たちを阻みもすれば、しびれ砂はアデルにも効果を発揮する。そして騒動の末、やよいは白山坊のプロポーズに涙します。泣くほど嫌なら仕方ない、この話は無しに……と諦めようとした白山坊に届くのは「異なる結果に同じ道理がある」こと。やよいの涙は嫌だからという道理ではなく、嬉しいからという道理だったのでした。
 かくして物語は普通なら結ばれるはずのない、妖怪と人の結婚という結果を迎えることになります。それこそはまさしく今回歪んだもっとも大きな道理であり、愛し合う2人が結ばれるというもっともシンプルな必然による結末なのでしょう。二重の意味で、とてもロマンチックな回でした。

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