人の条件、妖怪の条件――「ゲゲゲの鬼太郎(6期)」35話感想
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まなちゃんに奴隷とか言わせるのは感心しませんね(心の汚れた発想)
ゲゲゲの鬼太郎(6期) 第35話「運命の魔女たち」
©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション



「ゲゲゲの鬼太郎」6期35話を視聴。ブリガドーン計画とは魔女の命で人間を妖怪に変えてしまうものであることが明かされたわけですが、今回の話における「妖怪」とは単なる肉体的なものではなく、精神的なものが仮託されていたように思います。
回想の中のアニエス、アデル、その母は仲睦まじい、人と変わらぬ親子として描かれますが、魔女の力はそれを分断し確執にしてしまいます。ブリガドーン計画は姉妹を「母親を見捨てた人非人」に変えてしまう。
ゲゲゲの森の妖怪達にしても本来は気のいい連中のはずが、ブリガドーン計画の脅威は彼らをアニエスに石を投げつけるような者に変えてしまう。鬼太郎はバックベアードの帝国になれば皆が皆を監視するような社会になってしまうと言いますが、すなわちそれは「精神を妖怪にしてしまう」ということなのですね。
しかし人間が妖怪になるなら、妖怪が人間になることもある。当初は鬼太郎達を利用しようとするだけの「妖怪」であったアニエスは、まなや鬼太郎たちとのふれあいの中で彼らにぬくもりを感じ、親しみを抱き、できることなら彼らを傷つけたくないと心を痛める「人間」になりました。投石で流れる赤い血はアニエスが人と同じ心を持つ証明。そして魔女の家の名誉を守ることに執心しているアデルにも、どういうものか確かに妹を思う姉の気持ちは残っている。果たして、2人が2人で人間に戻る日は来るのでしょうか。
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