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内なる異物が己を保つ――「からくりサーカス」11話感想


 おお、僕らのヒーロー アクロバットブラザーズよ! 尊き理想のための殉教者よ、私の心は張り裂けそうだ(ギャグなし感想内の異物)



からくりサーカス 第11話「ファンファーレ」
©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
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 「からくりサーカス」11話を視聴。今回ミンシアはしろがねの血を飲んだわけですが、それはしろがねになるためではなくゾナハ病にかからないためのもの。すなわち「異物を取り込むことで己が保てる」と言えますが、今回の話はそれが全体に感じられたように思います。

 これまで真夜中のサーカスを探せど探せど見つけられなかった人のしろがね達は、しろがねとしては異物である「犬」を迎えたことでそれを発見、しろがねとしての本分を果たす機会を得ました。また、平和な世界に飽いていた阿紫花はその宿部屋に巨大な球という異物(ジョージのボラ・ミステリオサ)を迎えることで「で…お代はいかほどいただけるんで……?」と得意のセリフを取り戻します。

 己の中に異物があることが己を保つ力になる。それは自分の中に他者(異物)を取り込むアクア・ウイタエ無しでは立ち続けることができなかったしろがねそのものです。ですが同時にそれが危うい均衡であることもまた、初登場となったしろがね-Oが証明しています。白銀の記憶という異物を己の中に持つのみならず体を機械という異物に置き換えた彼らは、フェイスレスの顔芸や仲間の死といったものに全く感情を動かさない存在になり果てている。同時に、ギイいわく「冷血な人間外生物」のはずのしろがねは、しろがね-Oという異物を抱え込むことで相対的に人間味を表していく。
 そして冒頭で今回の小テーマとの関連を述べた、しろがねならざるミンシアはやはり「異物」です。彼女がいればこそファティマはガールズ・トークに花を咲かせることもできるし、アニメでは子供を尋問すらしたルシールは足早に駆け寄ってミンシアのゾナハ病感染を防ごうとする。そして、使命感1つに染まってしまわない彼女やファティマがいればこそ、鳴海も戦うだけでなくいい男ぶりを発揮できるわけで。回転刃に投げ込まれたと見えて狙いの内、あるいは剥かれて恥じ入ると見せかけて不意打ち、といった今回の戦いの決着には、異物を利用して己を保つ術がよく反映されていました。

 それでも、繰り返しになりますが、己と異物のバランスはとても危ういものです。髪の一部が銀に染まり、体の一部をからくりに置き換え、「操り人形を使わずとも人形を破壊できる」鳴海は次第次第に勝と出会った頃の彼と別のものになっていく。この決戦もまた、そのバランスを揺さぶっていくことでしょう。そしてそれは、勝が己の中の鳴海という異物をどう扱うかということと並び注視すべきものなのだと思います。

関連:
うしおととら(アニメ・原作漫画・小説) 感想リスト

からくりサーカス 感想リスト

からくりサーカス 第1話「開幕ベル」
からくりサーカス 第2話「約束」
からくりサーカス 第3話「奈落」
からくりサーカス 第4話「コラン」
からくりサーカス 第5話「サーカス〜出発」
からくりサーカス 第6話「地獄」
からくりサーカス 第7話「Demonic」
からくりサーカス 第8話「一瞬の始まりと終わり」
からくりサーカス 第9話「記憶」
からくりサーカス 第10話「フランシーヌ」

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