地獄の体現者は道を問う――「どろろ」1話感想
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パンチラならぬフンチラとな。いや糞チラでもあるけど。
どろろ 第1話「醍醐の巻」
どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

「どろろ」1話を視聴。百鬼丸を中心に醍醐景光とどろろが回転するお話であったように感じた。縁もゆかりもないこの2人には1つの共通点がある。それは「取引をした」ということだ。景光は鬼神と、どろろは人足の親方と取引をした。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月9日
縁もゆかりもないと書いたが、それ以上にこの2人は対照的だ。かたや苦難に満ちた世と民を憂う立派な領主、かたや情けで雇ってくれた人足の荷物をちょろまかし馬糞まで投げつけるクソガキ。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月9日
にも関わらず、2人の取引はそれをひっくり返したかのようだ。景光は自分の望みのために他者を犠牲とした取引をし、どろろは自分のものでもない子犬のために自分を犠牲とした取引をした。取引をしたのは同じでも、そのあり方は真逆なのである。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月9日
景光が外道に落ちたのはいつだろう。上人を斬った時? 否、上人はむしろ感謝していたし景光は片合掌をした。鬼神に取引を持ちかけた時か? 否、あれは何を失うのも辞さない覚悟だ。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月9日
景光が本当に御仏の道を外れたのはきっと、生まれた息子の無残に取引成立の喜びを見た時だ。縫の方のように儚く愛おしいとも思わず、上人を斬った時のように片合掌すらしない。それはまさしく、外道の姿だった。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月9日
景光は地獄とはこの世のことだと言った。産婆は人とも思えぬ姿の赤子にとっては生きてる方が地獄だろうと言った。芯から景光が世を地獄の苦しみから救いたいと願うならば、地獄の苦しみを背負った息子を捨ててはいけなかったのだ。例えそれが長く生きられないとしても。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月9日
逆にクソガキどろろはすんでのところで「道」に戻る。他者のために体を張れるその優しさが、この子を外道に貶めない。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月9日
そういうわけで、真逆の取引の傍、雨の下で百鬼丸は誕生しまた再生する。景光の取引の近辺で肉体的人間性を奪われ、どろろの取引の近辺で肉体的人間性を取り戻す。かたや失って人間か疑われ、かたや取り戻して人間か疑われるのだから徹底して逆転している。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月9日
先に述べたように今回は百鬼丸にとって誕生と再生の反転図式であり、起点となる赤子の彼は喋る術を持たない。故に青年百鬼丸も1話では喋らない(喋れない)。次回、物言うようになる彼が楽しみです。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月9日
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