互いに育て合う――「ゲゲゲの鬼太郎(6期)」41話感想
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ここの自分から箱に飛び込む化け草履がなんともかわいらしい。まさか草履にキュンとする日が来るなんて……!
ゲゲゲの鬼太郎(6期) 第41話「怪事!化け草履の乱」
©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション



「ゲゲゲの鬼太郎」6期41話を視聴。道具を大切にしよう、というのを嫌味なく伝えてくれるお話であったように感じました。
長い間大切に使うことで道具が付喪神になる、というのは多くの人が耳にしたことのあるお話ですが、それを本当に信じている人はあまりいないでしょう。けれど私達は一方で、それに類するものは今も自然に受け入れています。
例えばカメラマンが肌身離さぬように持ち歩くカメラ。例えばロボットアニメで自分の命を預ける乗機。強い情を込めて使う道具を人は時に「相棒」と呼び、まるでそれに人格があるかのように接します。道具が思いを注がれ続けることで人格を獲得するなら、人は思いを注ぐことで道具に人格を感じる力を獲得することができる。強い思いを注がれることで変化するのは、けして道具の側だけではないのです。
自分亡き後のために道具の新たな居場所を探そうとする勇夫の姿は、余命を知った時に家族のことを思いやる人の姿と同じ、尊敬に値するものです。そしてそれは、彼が道具に強い思いを注ぎ続けたからこそ獲得できた美しい「人格」に他なりません。こういう人に、つまり物を大切にする人になりたいと自然に思わせるお話だったのではないかと思います。
今回の感想は正直なところ書きあぐねてしまっていたのですが、人と道具を等しく見るこちらのツイートがヒントになって書くことができました。ありがとうございました。
棄てられる古道具の悲しみだけでなく、使われる事こそが嬉しいという本心、そして、人が道具に愛着を持つだけでなく、道具もまた人に愛着を持っているという事──それぞれの想いが対照的に描かれた、感動的で深みのある九十九神回。人もまた古びてゆくという暗喩も大変味わい深い。
— 稲羽白菟 📖合邦の密室📖 (@masaya_kawakami) 2019年1月27日
#ゲゲゲの鬼太郎
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