双姿双愛――「どろろ」4話感想
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斬らぬから戻れる、斬ってしまえば戻れない。
どろろ 第4話「妖刀の巻」
どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

「どろろ」4話を視聴。光と影、物事には2つの姿がある。例えば映像作品において涙は瞳からのみ描かれはせず、しばしば雨も使って描かれるように。今回の話は、EDまで始終雨が降り通し。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月30日
妖刀を握る田之介の魂は、百鬼丸の目で見れば2つの姿を持っている。妖刀の色は無論真っ赤だが、それを握る田之介の魂はどろろと同様に真っ白だ。数え切れないほどの人を殺したにも関わらず。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月30日
妹思いで、主の命令でも無辜の者を斬るのは躊躇う優しい田之介。けれど彼が城大工を斬ったのは妖刀のせいではない。あくまでも彼の意思だ。妹の所へ帰るために。錆びた鈍刀で斬られ苦しむ男を楽にしてやるために。それは間違いなく、彼の罪だ。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月30日
「この刀は俺のものだ、俺だけの刀」――事情がどうあれ、妖刀は田之介にとって自分の罪のシンボルになっている。だから彼は妖刀は自分のもとにいずれ戻ってくると確信を持つ。魂の炎が白いからこそ、田之介は罪深き自分を許すことができない。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月30日
妖刀に操られようと人を斬らなかったどろろ相手のように刀を払うだけでは、田之介の罪は払えない。人殺しとしての田之介の罪は、妖刀と田之介の両方を斬らねば拭えない。百鬼丸の二刀流こそはそれを為す。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月30日
今回の話には、他にも2つの姿を持つものはある。例えば「兄」だ。「何か言って、お願いだから」お須志は田之介に訴える。時を同じくしてどろろに刀を向ける百鬼丸もまた、何も言わない。お須志にとって田之介は兄である。どろろにとって今回から百鬼丸は「あにき」である。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月30日
肉体はお須志の兄でも一緒にはいられない(その資格はないと思ったであろう)田之介。肉体は何の縁もなくても、一緒にいてその精神性であにきと呼ばれるに至った百鬼丸。「兄」にも2つの姿がある。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月30日
だから、殺される罰を受けて初めて、田之介は2つ揃った兄に戻ることを許されるのだ。兄は戻った。そのことは、雨上がりに2羽の鶴が実体と影の両方で寄り添うかのようになった姿が示しているのではないかと思う。抱きしめ合うことは叶わねど、罪に苦しむ田之介の涙もまた止まった。#どろろ pic.twitter.com/Bz0PlPgW1V
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月30日
同時に、百鬼丸も2つの姿を学んでいく。痛みには体の痛み(田之介につけられた傷)と心の痛み(お須志の悲痛な泣き声)があることを。「雨」には体で直接感じるものだけでなく、耳を通して心で感じるものもあることを。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月30日
「あにき」呼びがどうなるかなというのはぼんやりと頭にひっかかっていたのですが、とても良い流れでの成立でした。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年1月30日
関連:
どろろ 感想リスト
どろろ 第1話 「醍醐の巻」
どろろ 第2話 「万代の巻」
どろろ 第3話 「寿海の巻」

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