得ることは失うこと――「どろろ」5話感想
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胸の奥が苦しくなる。
どろろ 第5話「守小唄の巻・上」
どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

「どろろ」5話を視聴。いい話と悪い話があると琵琶丸は言う。吉凶はいつも共にある、得失はいつも裏返しにある。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年2月6日
鬼神を倒した百鬼丸は耳を、音の概念を「得た」が、それは彼を混乱させ圧倒的な強さを「失わせる」。#どろろ
耳を塞ぐ百鬼丸はあなぐらにこもった獣のようだと評され、またこの世に出るため音に慣れなければと諭される。つまりそれは獣から人になる道であるわけだが、後の場面で琵琶丸はこうも言ってもいる。「安全な道は、お前さんたち獣の方がよく知ってるねえ」#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年2月6日
あれやこれや感じ考える力は人を人たらしむるものだが、それを得る事は同時に迷いや過ちも生む。ミオとの触れ合いを通して百鬼丸が得たものは、怪我が治るまで無理しないという当然の判断を失わせてしまった。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年2月6日
ミオ自身にとっても、百鬼丸との関係は得失の応酬だ。百鬼丸には魂の色が見えるという情報を得る事は、体を売っているミオから百鬼丸の前に気兼ねなく立つ力を失わせてしまった。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年2月6日
食べ物、薬、お金。様々なものを得るために、ミオは自分の尊厳を失っていく。それでも頑張るという活力や希望の地の情報を得た事で、敵対する両軍に体を売るという危険に対する判断も失う。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年2月6日
どだい、この物語の始まり自体が景光が息子を失って栄光への道を得たものだった。そして百鬼丸が体を取り戻せば、その分景光とその領地には災いが戻ってくる。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年2月6日
「戦から取り戻す、か。いいじゃねえか。オレたちも侍から取ってやればいいんだ」……自分達が奪われた(失わされた)ものを主張する権利はもちろんある。しかし取り戻すという事はやはりまた、相手から奪う(失わせる)事だ。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年2月6日
飯代くらいは働くのがスジという考えは、相手から奪ってしまったものを返したいという思いのあらわれでもある……#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年2月6日
幸せの総量は変えられないのか。幸せを得る事は他の幸せを奪うことなのか。声を取り戻した百鬼丸は今度は肉の右足を失う。生身を得るということは、失うおそれのあるものを得たということに他ならない。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年2月6日
妖刀をからくりの左足で防いだ先週の手並みが鮮やかだった分だけ、百鬼丸が失ったものの大きさも感じられる回だったのではないかと思います。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年2月6日
関連:
どろろ 感想リスト
どろろ 第1話 「醍醐の巻」
どろろ 第2話 「万代の巻」
どろろ 第3話 「寿海の巻」
どろろ 第4話 「妖刀の巻」

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