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揺れる万物――「PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2 First Guardian」感想


 青柳さん結構いい存在感出してたなあ……



PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2 First Guardian
©サイコパス製作委員会

 「PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2 First Guardian」を視聴。今回の主人公である須郷は外務省の花城フレデリカからスカウトを受ける――つまり彼の立場が「揺れる」わけですが、このCase.2は全体を通して「揺れる」ことが描かれてきたように感じました。そもそも外務省の花城が厚労省の公安局に出向してきたこと自体が所属の揺れであるわけですし、この話は時系列を過去に揺することで成立しているものでもあります。

 執行官として不安定な立場にある須郷ですが、その過去はむしろとても安定したものでした。ドローンのエースパイロット、信頼できる仲間、尊敬できる先輩……しかしいつ死ぬか分からない、生命が絶えず揺れ続けるその仕事のように、彼の全ては揺さぶられていきます。
 国防省ではなく外務省の人間をオブザーバーとした任務、事前連絡と違う装備、それによる撤退命令。揺らぎはまず彼の大切な仲間の命を奪い、須郷の色相もまた安定を欠いていきます。テロ事件の発生に至っては容疑者扱いまでされ、彼は軍人と容疑者という2つの立場の間で揺れることになってしまいました。

 死は確実と思われた先輩の生死は怪しくなり、上司からは事実上のスパイ行為を指示され、自分を容疑者とする敵にしか思えなかった征陸達はむしろ信頼できる人間。何が真実なのか、何が正しいのか、何をすべきなのか、須郷の心は揺れていきます。
 そして明かされた真実も須郷の心を安定させることはなく、むしろ彼を更に不安定にするものでした。先輩はやはり死んでいた。仲間を助ける補給物資は毒ガスであった。意図など全くしてはいないが、自分は先輩を含め多くの人間を死に至らしめた。テロの犯人は、先輩の妻の燐であった――何より残酷だったのは、強く生きろという先輩の妻への言葉を須郷と燐が全く異なる意味で受け取っていたことでしょう。意味を疑うこともなかったであろうそれすら揺れるものであることを、須郷は思い知らされたのです。

 そうして色相の、価値観の安定を欠いた須郷に、征陸はそれでも確かなものが感じられることはあると言います。自らも揺れ続けている征陸の言葉だからこそ、それは須郷の心に響いたのでしょう。

 スカウトを断る須郷に、花城はいずれ気が変わらざるを得ない状況がやってくると言います。この世に見える全てが揺らぎ得ることはこのCase.2に限らず、2期における彼の足跡もまた雄弁に語っています。それでも、見えずとも時に感じられる確かなものを探して彼は進んでいくのでしょう。価値観のひどく不安定になったこの時代に生きる私達の背中を押してくれる、そんなお話であったように思います。そして有本欽隆さん、素敵なとっつあんをありがとうございました。
 さて、「Sinners of the System」もいよいよ来月のCase.3を残すのみ。一体どんな話が待ち受けているのでしょうかね。

関連:
PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰

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