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真贋は受け手が決める――「PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に__」感想

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 公開日を先月と同じ15日だとばかり思っていた僕、大慌てで席予約。



PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2 First Guardian
©サイコパス製作委員会

 「PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に__」を視聴。連作映画シリーズ最終作は「くだらない真相」と「現実化する建前」の話であったように感じました。
 今回の敵となる停戦監視団のガルシアは、紛争解決・和平交渉を生業とする傭兵団の団長という立派なお題目を掲げながら、その実は自ら紛争を起こし解決することで飯のタネにするという下劣な男。そんなことをした理由も当初こそ部下を養わなければならないと言うものの本音は「俺たちはただ居場所が欲しかっただけなんだ」というもので、建前の方には反論しなかった狡噛もこれには「ふざけるな!」と叫ぶほど。狡噛が気になって仕方なかったツェリンのとびきり面白い話の結末が拍子抜けするものであったのと同じで、真相とは案外くだらないものです。狡噛にしても人助けに見返りも求めず「やりたいことをやってるだけ」というのは自分に言い聞かせる建前であって、実際は復讐によって居場所を失った結果として(精神的に)同じ場所をぐるぐる回っているに過ぎない。彼に語りかける槙島の言葉がいかに真に迫っていようとも、実際は狡噛が1人で脳内問答しているに過ぎないのです。

 しかし、本音がくだらないものなら建前もくだらないのか? 否、そうではありません。美しいからこそ建前は建前たり得るし、建前を本気で(本音で)信じるものがいればそれは現実になることもある。狡噛は結果的に本当にテンジンにとって「先生」と呼ぶに値する存在になったし、ツェリンはガルシアの跡を継いで停戦監視団を本当に建前のための組織にしていくでしょう。ガルシアに撃たれながらもテンジンが和平は本物だから壊さないでほしいと願ったのは、偽物でも価値があると言ったのはそれに連なるものなのです。
 チベットを訪れた花城の「日本棄民の調査・将来的には引き揚げ」という建前も、結果的にはシビュラ・システムと合わない(=国家に捨てられた)狡噛を日本に連れ戻すという現実に繋がります。狡噛自身もまた、花城の仕事を手伝うという建前あればこそ日本に帰る踏ん切りをつけることができる。世界は、現実は簡単には変わらない。けれど建前を本物にするか偽物にするかは、それを受け取る自分次第でもあるのです。

 さて、公開日と同日に3期が発表され新たな局面を迎えた本シリーズ。次なる物語はどんなものでしょうね。

関連:
PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰
PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2 First Guardian

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