板塀1枚で遮れるものなんて――「どろろ」11話感想
- CATEGORY: Wisp-Blog
- TAG: アニメ_2019年冬アニメ

たかが知れていて、されど。
どろろ 第11話「ばんもんの巻・上」
どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

「どろろ」11話を視聴。焼け落ちたばんもんの向こう側は危険極まりない朝倉の領地、こちら側は別天地のように安穏とした醍醐の領地。板塀は境界線。しかし板塀1枚で遮れるものに限りがあるように、境界線とは頼りないものだ。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年3月20日
ゲストである助六は、ばんもんの向こう側にある自分の家に戻ることを許されない。彼は境界線を越えた先に取り残されてしまった。醍醐のフィールドの異物だと言える。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年3月20日
それは醍醐の地にやってきたどろろと百鬼丸も同様で、鬼神を退治する彼らの旅はこの地の人々にとっては芝居と同じ境界線の向こう側の出来事だ。そして2人にとってこの羽振りのいい国は稼ぎの当てがなく、境界線の向こう側にやってきてしまったような居心地の悪さがある。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年3月20日
しかしばんもんが助六の村を割ったように、境界線とは誰かが引いたものであって断崖絶壁の分かれ目ではない。百鬼丸と彼が聞きつけるばんもんの話をする者を遮るのは天然自然の川ではなく、誰かが作った用水路だ。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年3月20日
あちらとこちらの境は板塀1枚のあやふやな境界線。百鬼丸が生きていたことに対する喜びと慄き、百鬼丸とどろろが狐火に襲われる窮地と助六の帰還の好機、そしてその好機ですら朝倉に捕まる危機と地続き。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年3月20日
境界線は揺れ続け、それはあちらにいる者もこちらにいる者も揺らす。前回見事な若殿ぶりを発揮した多宝丸は礼も言えず対価も払わぬ世間知らずだし、民を救い名を轟かせる景光の決意は縫の方によって常に揺さぶられている。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年3月20日
再会した父と子はどう境界線を揺らし、あちらとこちらを危うくするのか。次回、巻の下が待ち遠しい。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年3月20日
関連:
どろろ 感想リスト
どろろ 第1話 「醍醐の巻」
どろろ 第2話 「万代の巻」
どろろ 第3話 「寿海の巻」
どろろ 第4話 「妖刀の巻」
どろろ 第5話 「守小唄の巻・上」
どろろ 第6話 「守小唄の巻・下」
どろろ 第7話 「絡新婦の巻」
どろろ 第8話 「さるの巻」
どろろ 第9話 「無残帳の巻」 *感想お休みのため欠番
どろろ 第10話 「多宝丸の巻」

にほんブログ村