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何を読み取るかはお前次第――「KILLER APE」1巻感想




 河部真道の「KILLER APE(キラーエイプ)」1巻を読了。通説を覆す強烈なキャラクター達を活写した「バンデット -偽伝太平記-」に続く2度目の連載です。

「バンデット」の楠木正成が(アカン)枠な件togetter

 「大断絶」によって文明退行が起きた22世紀。世界一の動画配信者を目指す哲平は、自分が兵士になる様子を配信しようと思い立ちPMCへと入社する。しかしそこで行われる訓練とは過去に実際にあった戦場を再現した電子生体圏にダイブして戦い方を学ぶというもの。最初に放り出されたのはナポレオン最後の戦場、ワーテルローで……

 大雑把な始まりはこんな感じ。「古今東西の戦場にお邪魔する」という時点でシチュエーションの満漢全席みたいなワクワクがありますが、加えて面白いのは本作が統一的な意思をほとんど感じさせないことではないかと思います。軍事教練とは言っても指導者がいてその下で一丸となって……みたいなものではなく、戦場にいきなり放り出される形なので哲平達は個々人の判断を強く求められることになる。そもそもPMC(民間軍事会社)なので人種・年齢・性別はもちろん志望動機もバラバラ。ゆえに同じ戦場から何を感じ取るかすら一律ではありません。最たるは主人公の哲平で、彼はドデカイ人間(世界一の配信者)になりたいのであって兵士になりたいのではない。そんな彼が他の人間と同じ目線でこの訓練を受けられるわけがないのです。

 哲平と対峙したナポレオンは、「人は見たいものしか見ず その不完全な認識でしか世界をとらえられない」と語ります。それはつまり物の見方や感じ取り方は人によって異なると先に述べたのと同じことです。そして見たいものしか見ないとは、逆に言えば全然関係ないものから自分の糧になる情報を読み取ることもできるということ。兵士になりたいわけじゃない哲平だって、兵士になるためのこの訓練からドデカイ人間になるために必要なものを学ぶことができるわけです。

 1巻ではナポレオンとのワーテルローの戦い、来月発売の予定の2巻ではノルマン・コンクエストが舞台。1話の試し読みも公開されているので、興味が湧いた人はぜひ見てみてください。

<雑誌掲載時の感想>






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