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抱き込まれるは合理か非合理か――「からくりサーカス」23話感想


 最高のミュージックに抱かれて。

<お知らせ>
 3/30(土)は仕事のため、ジョジョ感想が遅れます。場合によると日またぎ。すみません。



からくりサーカス 第23話「悪魔再び」
©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
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 「からくりサーカス」23話を視聴。かつて鳴海は人ならざるしろがね達に「イヤな時にワケなんて言わなくていい」「時には危険や役に立たないことも自由に選べる俺になりたい」と説きました。それはすなわち非合理であり、人間と人形を分けるのが非合理と合理であることは、冒頭のパンタローネのレ・マン・ヴェール・フォンセが9発ずつ交互に撃たれるという合理(前回書いたところの「方程式」)によって強調されます。

 合理に合理で勝つことはできない。攻撃を入れ替えるタイミングを見計らったり、空中でなら動けないと考えたり、アクア・ウイタエの混ざった血で倒すといった阿紫花の「合理」はいずれもパンタローネを倒すに至りません。ジョージも素材も回転数も劣るボラ・ミステリオサではシュナージーのヴンダー・クーゲルに勝てない。ハリーを一種のバリア発生装置として転用するバンハートも、バッテリー切れという合理には逆らえない。

 合理に非合理をぶつける。それは創作でまま見られる勝利の図式ですが、本作で描かれるものはおそらくそれに留まりません。阿紫花はオートマータであるパンタローネに女性へのモテ方笑わせ方を説くことで関心を引き反撃の糸口を手繰り寄せました。ジョージは地球に人間は不要だというシュナージーの理屈に直接反論するのでなく、彼の望む地球に存在しないものを提示することで彼を打ち破りました。2人は合理に非合理をぶつけたのではない。2人は合理(のみに生きる者)を非合理に抱き込むことでこそ、非合理的な結果を巻き起こすことに成功したのです。それは今回最初に述べた図式に立ち戻るなら、「人間が人形を抱き込む」ことで起きたものだと言えるでしょう。

 人ならざるしろがね-Oであるジョージを人間に戻したのは、人間・阿紫花とのやりとりや人間の子供達の拍手でした。バッテリーが切れるという合理的絶望にも関わらずバンハートが希望を捨てなかったのは、かつて鳴海にその人間性を見せられたからでした。非合理が合理を抱き込むことは、人間が人形を抱き込むことは、更に視点を進めるならば「人間が人間を作る」ということです。阿紫花の非合理に抱き込まれたパンタローネはわざと阿紫花への攻撃を外し、グリモルディという「人形」を破壊することで急速に人間へと近づいている。人間を観客とすることでオートマータの速度が人間並みになってしまうように、かつて人間だったシュナージーがオートマータの同族と成り果ててしまったように、人間と人形の間を行き来することは肉体的な合理ほどには難しくないのかもしれません。次回、デモンと人間を行き来する鳴海はどんな姿を見せてくれるのか。ブロム・ブロム・ローの暴れっぷりなどにも期待しつつ次回を待ちたいと思います。

関連:
うしおととら(アニメ・原作漫画・小説) 感想リスト

からくりサーカス 感想リスト

からくりサーカス 第1話「開幕ベル」
からくりサーカス 第2話「約束」
からくりサーカス 第3話「奈落」
からくりサーカス 第4話「コラン」
からくりサーカス 第5話「サーカス〜出発」
からくりサーカス 第6話「地獄」
からくりサーカス 第7話「Demonic」
からくりサーカス 第8話「一瞬の始まりと終わり」
からくりサーカス 第9話「記憶」
からくりサーカス 第10話「フランシーヌ」
からくりサーカス 第11話「ファンファーレ」
からくりサーカス 第12話「「顔無し」司令」
からくりサーカス 第13話「ルシール」
からくりサーカス 第14話「夜更けの海」
からくりサーカス 第15話「はじまりの場所へ」
からくりサーカス 第16話「出会い」
からくりサーカス 第17話「訪れし者」
からくりサーカス 第18話「微笑」
からくりサーカス 第19話「影の正体」
からくりサーカス 第20話「黒い太陽」 *感想お休みのため欠番
からくりサーカス 第21話「銀色の女神」
からくりサーカス 第22話「「ハリー」へ向かう!!」

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