見えない理由、見えない役割――「ゲゲゲの鬼太郎(6期)」49話感想
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自分を知り、相手を知れば。
ゲゲゲの鬼太郎(6期) 第49話「名無しと真名」
©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション


「ゲゲゲの鬼太郎」6期49話を視聴。これまで行動の理由が全く見えてこなかった名無しですが、同じ半妖であるねずみ男はそれが妖怪と人間双方への憎しみであると見抜きます。まなと再会した鬼太郎は、まなが妖怪を許せない理由は何より自分がねこ娘を消滅させてしまったからだと知ります。まなはねこ娘の最後の言葉は母を傷つけたことに対する謝罪だと思っていましたが、それはまなが自分を消滅させるようなことになってしまったことも理由であったからだと知りました。理由とはそのままの姿で見えるものではありません。時にそれは、相手はおろか自分自身にすら見えていなかったりする。
鬼太郎とねずみ男の関係は通常は鬼太郎がねずみ男に説教する側ですが、今回説教するのはむしろねずみ男の役割であり鬼太郎は驚かされます。まなは名無しにとって器とされる役割を担わされていましたが、それはこれまで彼女に見えてはいませんでした。役割もまた、そのままの姿で目に見えるものではないし自分自身にすら見えないことがある。
見えない理由が見えれば、己の果たすべき見えない役割も見えてくる。まなはねこ娘の最後の言葉の理由を知り、自分が名無しに目をつけられた理由も知り、そして自分が何をすべきか――自分の役割を知りました。それは名無しが自分自身にも見えていない憎しみの理由を教え、それを満たしてあげること。名無しの母によく似た自分が、母の代わりの役割を果たしてあげること。見えない役割を果たしてきた彼女が自分の役割を見るというのは、キャッチフレーズにも則った締め方であったように思います。
名無しの騒動が解決してもすっきりとはしない理由を、まなは直接は口にしません。しかし鬼太郎は見えないその理由を見て、自分の役割はねこ娘をまなと再会させることだと閻魔大王に掛け合ってくる。姉と慕ったねこ娘が逆にまなを「まなね~たん」と呼ぶことは、まなの役割もまた変化させていくことでしょう。今は見えないそれが新シリーズで明かされるのを、楽しみに待ちたいと思います。スタッフの皆様、まずは名無しを中心とした1年間のお話お疲れ様でした!

ロリねこ娘で復活するんじゃないかという予想をちらっと目にしていたこともあって、復活の喜びや驚きよりもまなの「でかまな」ぶりに目が行ってしまう僕。このアングルがいかんのだ……
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