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肺腑に届く交わり――「からくりサーカス」24話感想


 だからいくら離れても。



からくりサーカス 第24話「脱出へ」
©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
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 「からくりサーカス」24話を視聴。人間同士が交わることで限界を超える、というブロム・ブロム・ローの引用した言葉は最初は彼の考えを肯定する形で、後には否定する形で証明されます。すなわち鳴海はミンシアと共にあることで不意打ちを受けず頭を冷やすことができたし、また鳴海は自身が口にしたように今は遠くにある仲間達の力によってブロム・ブロム・ローを打破しました。そして明言されるのが後者である以上、類する描写も後者が中心になります。

 今回の話では様々なキャラクターが限界を超えました。ミンシアが超えた生死の限界、ギイが超えたかつての自分の限界、パンタローネが超えた敵味方の限界……そしてそのいずれも、そうさせた交わった者は彼らの側にはいないのです。ミンシアにアクア・ウイタエを与えたルシールは既に亡く、ギイを変えた鳴海は通信機の向こうにあり、パンタローネに人間を傷つけぬよう命じたエレオノールも生き方を助言した阿紫花もその超越の瞬間を共にしたわけではない。鳴海が言うように、人は物理的に1人に見えたとしても本当に1人とは限らないのです。鳴海とパンタローネが手を交えることで脱出に成功する姿は象徴的であり、またこの脱出劇の立役者の1人であるジョージが阿紫花と共にいない姿は示唆的でした。個人的には今回のこの部分については、少年漫画的なストレートさのある鳴海よりもミンシアとルシール、阿紫花とジョージのほのかな味わいの方が好きかなー……

 人間は交わることで限界を超える。ならば交わって限界を超えたなら、それは肉体の如何を問わず人間であるということなのでしょう。子供たちのために戦ったしろがね-Oのジョージ、パンタローネに人間と呼ばれたしろがねのギイ、彼を助けたオートマータのパンタローネ……それは先週も書いたように「人間が人間を作る」ということです。次回、勝とリーゼがどのような交わりを見せてくれるか待ちたいと思います。

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 怪我の心配より別の場所に視線がいった人は手を挙げてください(真っ先に挙手しつつ)。

関連:
うしおととら(アニメ・原作漫画・小説) 感想リスト

からくりサーカス 感想リスト

からくりサーカス 第1話「開幕ベル」
からくりサーカス 第2話「約束」
からくりサーカス 第3話「奈落」
からくりサーカス 第4話「コラン」
からくりサーカス 第5話「サーカス〜出発」
からくりサーカス 第6話「地獄」
からくりサーカス 第7話「Demonic」
からくりサーカス 第8話「一瞬の始まりと終わり」
からくりサーカス 第9話「記憶」
からくりサーカス 第10話「フランシーヌ」
からくりサーカス 第11話「ファンファーレ」
からくりサーカス 第12話「「顔無し」司令」
からくりサーカス 第13話「ルシール」
からくりサーカス 第14話「夜更けの海」
からくりサーカス 第15話「はじまりの場所へ」
からくりサーカス 第16話「出会い」
からくりサーカス 第17話「訪れし者」
からくりサーカス 第18話「微笑」
からくりサーカス 第19話「影の正体」
からくりサーカス 第20話「黒い太陽」 *感想お休みのため欠番
からくりサーカス 第21話「銀色の女神」
からくりサーカス 第22話「「ハリー」へ向かう!!」
からくりサーカス 第23話「悪魔再び」

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