「荒野のコトブキ飛行隊」キャラ描写の薄さに見る世界の広さ
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「えっとね、知りたいのはね、知らないから。見たことないから。だから知りたいし、見てみたい!」
©荒野のコトブキ飛行隊製作委員会
©伍箇伝計画/刀使ノ巫女製作委員会
2019冬アニメ「荒野のコトブキ飛行隊」。なんとなく「刀使ノ巫女」と絡めて語ってみたくなった。コトブキのテーマを「自由」、刀使ノ巫女のテーマを「全部分かり合うことはできない寂しさと、それとの向き合い方」に見立ててやってみようと思う。#コトブキ#tojinomiko pic.twitter.com/nNfVjQRrE0
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年4月8日
コトブキ飛行隊についてもっとも良く目にしたのは「空戦はすごいがキャラ描写は薄い」というものだ。実際、驚愕の事実が明かされたり大仰に泣かせるような描写は見受けられない。代わりに本筋と関係ない、あるいは描かれない間に進んだ描写がバシバシ入ってくる。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年4月8日
例えばチカにはチトという兄がいるそうだが、ケイトの兄アレンと違ってその存在は認識しなくても構わない。仲の悪かった自警団のトキワギはいつの間にか彼女をチカ姉さんと呼ぶ。そもそもチカの負傷した時のことも劇中で語られたりしない。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年4月8日
エリート興業の姐さんは再登場時にトリヘイを「あんた」と呼んでいる辺り関係の進展が伺えるがそんなの誰も触れないし、7話でコトブキ飛行隊はエリート興業の彗星を使用しているが借り受けた話なんて誰も言及しない。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年4月8日
極めつけはボスや世界周りの描写であり、イサオの一党が空賊に援助して都合よく動かしていたらしいことはほぼクロだが直接語られないし、イサオが自由博愛連合で世界を席巻して何をしたかったのかも明かされたりはしない。穴とユーハング(日本軍)の関わりやサブジーの生死も謎のまま。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年4月8日
刀使ノ巫女の場合はさりげない描写を拾い集めるとその多くが「分かり会えない寂しさとそれとの向き合い方」というテーマに収れんしていくのに対し、コトブキ飛行隊のそれは拾い集めてはっきりするものでもなければそれが単独でどうかするものでもない。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年4月8日
コトブキ飛行隊のさりげない描写が示すのは、「世界は画面の外でも「自由」に動いている」という至極当たり前の事実だ。私達は物語を見ているわけではあるが、コトブキ飛行隊の人々はそんなことを全く意識しない。ドラマにもしない。彼らは彼らの生を好きに過ごしているだけ。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年4月8日
世界は画面の外でも動いているから、私達はそこに手を伸ばそうとしても全てを知ることなどできはしない。それを私達の世界に敷衍するなら「自分の狭い了見で全て分かるほど世界は狭くない」と言える。それは刀使ノ巫女の「分かり合えない」という要素に重なってくる部分だ。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年4月8日
人間は他者のことを全て理解することはできなくて、しかしだからいつだって新しい理解を得ることができる。それを重層的で情感ある描写でしっとりと描いたのが刀使ノ巫女なら、荒野を行くように軽快に、カラリと笑い飛ばして描いたのがコトブキ飛行隊だったように思う。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年4月8日
かつてはテレビ、現在はネットの発達で私達は多くの情報に触れられるようになったけど、そこにあるのは世界の全部ではなく一部に過ぎない(同時に、世界の欠かせぬ一部でもある)。別にそれに限ったことでもないが、そういう観点で見るならこの考えは戒めにも励ましにもなるのじゃなかろうか。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年4月8日
と、2つの作品について語っておきながら最後は「ガンダム Gのレコンギスタ」のアイーダ姫の名言を借りて終わりたいと思います。「世界は四角くないんだから!」
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年4月8日
©創通・サンライズ 「Gのレコンギスタ」1話より#Gレコ pic.twitter.com/fLmtkGCiqi
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