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狂った過程をねじ曲げて――「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」27話感想


 いついかなる時もセクシー。



ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第27話「キング・クリムゾンvs.メタリカ」
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/ 集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会
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 「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」27話を視聴。原作分量としては約80ページ少々。リゾットの能力は疑似磁力による鉄分操作だったわけですが、それがもたらしているのは「過程を狂わせる」ことだと言えます。
 メスやハサミの出処は分からず、スタンドが触れてもいないのに勝手に動き、本体がどう移動しているのかも見えず、最終的に相手は「血液が酸素を運ぶ」という過程を機能不全に陥れられて死ぬ。カミソリにわざわざロゴまで作ってあるのはなぜだろう?とは連載時から疑問に思っていたのですが、作ったのではなく既成品であるかのように過程を錯覚させるためだったのでしょう。
 同時に、過程を狂わせる力はあくまで過程を踏む力であることに変わりはありません。保護色を使っても最低限敵に近づく必要はあり、ハサミを作ってもそれで喉を切らなければ即死させられず、(実際の人間にあんな大量の鉄分は無いという有名なツッコミはさておき)相手の血液をおぞましい黄色にするには幾度も攻撃を繰り返さなければならない。リゾットの能力は、あくまで過程を踏まなければ結果にたどり着けない。

 過程を踏まなければ結果にたどり着けないのはドッピオも同様であり、エピタフによって結果が固定されることで過程の重要性は強められています。画面と同じように鳥は飛び、ハサミは喉に埋め込まれ、足は吹っ飛ぶ。それが避けようのない結果であっても、そこに至る過程は変えることができる。リゾットばかりに目が行きがちですが彼の観察眼も大したもので、それによって吹っ飛んだ足がリゾットのものになるという、一時はボスの予想も超える結果すらドッピオは生んで見せました。ドッピオvsリゾット戦はドッピオの目線で描かれるものであり、ゆえに視聴者はドッピオの意識にシンクロし自然と応援してしまう――それに足りる過程を踏む力を、ドッピオという少年は確かに持っている。
 しかしボスからの電話がかかってきた瞬間、シンクロする目線は切断されてしまいます。ボスと電話しているという結果にさえたどりつけばカエルでも煙草でも構わないというその過程の軽視は、視聴者の共感をぷっつりと途切れさせてしまう。そのコミカルさで笑わせつつも「ああ、こいつ異常な奴だったな」と視聴者を醒めさせてしまう。ボスは電話によってまで、過程というものを消し飛ばしているのです。

 追い込まれたボスが最後にとった手段は、ドッピオがやったかのように描かれたナイフ投げを実は自分がしており、そしてそれがブチャラティへの攻撃であると思わせ、更にはリゾットへ攻撃するよう仕向けるというものでした。それは過程を狂わせるなんてものではない、「過程そのものをねじ曲げる」ことです。因果の糸を歪めて、リゾットとドッピオの戦いであるという状況を裏切って、敵と味方という関係すらおかしくしてしまう。そこには、徹底的な過程の軽視がある。
 リゾットはかつて部下を戒め、そしてドッピオの正体を訝しみ沸き立つ心を抑えながらも、最後にはボスを殺せる喜びを隠しきれませんでした。「浮かれた奴から死んでいく」――自分の過程に基づいて、リゾットは敗れたのです。過程を狂わせる力を持つ男は過程から逃れることはできないがゆえに、過程そのものをねじ曲げるという更に大きな力を持つ男に敗北を喫したのでした。


 とても恥ずかしい打ち明け話をしますと、僕は原作でボスがリゾットのことを占い師に聞いた時は「ジョルノ達の新しい仲間になるのかな」と思ったのですよね。離脱したフーゴの代わりに席を埋め、新たに横に立つのではないかと。いわゆる敵の敵は味方理論。
 今となれば荒唐無稽もいいところです。仲間の椅子にはトリッシュが新たに座っており、(原作では暗殺チーム同士の会話はほとんどなかったとはいえ)仲間を殺した者への復讐を胸に秘めたリゾットがジョルノ達と相容れるわけはなく、メタリカの能力はどう見ても敵向けで味方に使わせるようなものではない。にも関わらず僕はこの想像を疑いもせず、リゾットとドッピオの戦いは痛み分けのような形で終わり何らかの形でジョルノ達に仲間入りすると信じ切っていました。ですからリゾットがジョルノ達が手を取り合うどころか、むしろ致命傷を負わされるという出来事に大きなショックを受けたことを覚えています。
 そういう恥ずかしい勘違いも含めて、リゾットというキャラは僕にとても強い印象を残していったのでした。次回も更にすごい展開が待っていますが、ああ、本当にいいバトルだったなあ……

関連:
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 感想リスト

2013年冬アニメ 視聴予定リスト(1部2部感想リスト)
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 感想リスト
ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない感想 リスト
「岸辺露伴は動かない」富豪村 ツイート感想

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第1話「黄金体験(ゴールド・エクスペリエンス)」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第2話「ブチャラティが来る」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第3話「塀の中のギャングに会え」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第5話「ポルポの遺産を狙え!」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第6話「ムーディー・ブルースの逆襲」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第7話「セックス・ピストルズ登場 その1」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第8話「セックス・ピストルズ登場 その2」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第9話「ボスからの第一指令」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第10話「暗殺者(ヒットマン)チーム」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第11話「ナランチャのエアロスミス」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第12話「ボスからの第二指令」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第13話「マン・イン・ザ・ミラーとパープル・ヘイズ」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第14話「フィレンツェ行き超特急」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第15話「偉大なる死(ザ・グレイトフル・デッド) その1」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第16話「偉大なる死(ザ・グレイトフル・デッド) その2」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第17話「ベイビィ・フェイス」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第18話「ヴェネツィアに向かえ!」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第19話「ホワイト・アルバム」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第20話「ボスよりの最終指令」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第21話「キング・クリムゾンの謎」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第22話「ガッツの「G」」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第23話「クラッシュとトーキング・ヘッド」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第24話「ノトーリアス・B・I・G」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第25話「スパイス・ガール」
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第26話「ほんの少し昔の物語〜ぼくの名はドッピオ〜」

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2 Comments

諸葛鳳雛  

闇鍋はにわさん、こんばんは。

また遅くなりました。

さてドッピオvsリゾット編でした。
リゾットの能力メタリカはなんと体内の鉄分を
ハサミとかカミソリとか鉄製品に変えてしまうもの。
さらに鉄分を減らして体力まで消耗させてしまう、と。

メタリカは恐ろしい能力ですね…血液は誰にでもありますし。
私は物体を体内に瞬間移動させてしまう能力かと思ってました。
できればジョルノたちと戦ってほしかったのですが。
最後は浮かれてヤラれましたね、姿消したままだったら勝ってたんじゃ。
あ、私はリゾットのほうを応援させていただきました。

ボスは二重人格で姿形まで別人になってしまうようですね。
ボスの真の姿はまだお預けですか。

さてジョルノたちはボスの正体を暴けるか。

2019/04/25 (Thu) 22:38 | EDIT | REPLY |   

闇鍋はにわ  

>諸葛鳳雛さん

>闇鍋はにわさん、こんばんは。
>また遅くなりました。
今回もコメントありがとうございます、お疲れ様です。


>メタリカは恐ろしい能力ですね…血液は誰にでもありますし。
>私は物体を体内に瞬間移動させてしまう能力かと思ってました。
>できればジョルノたちと戦ってほしかったのですが。
>最後は浮かれてヤラれましたね、姿消したままだったら勝ってたんじゃ。
>あ、私はリゾットのほうを応援させていただきました。
エアロスミスにはメタリカの擬態能力が全く役に立たないので、相性としては最悪だったんですよね。リゾット1人になった時点で、ブチャラティのチームに勝つのは至難となっていたと言えるでしょう。
そのあたりのの諸々も含めて、応援したくなってしまうところありますよねリゾットは……

>ボスは二重人格で姿形まで別人になってしまうようですね。
>ボスの真の姿はまだお預けですか。
>さてジョルノたちはボスの正体を暴けるか。
そのあたりは今後を見てのお楽しみということで。あと一歩のその正体への道のりにご期待下さい。

2019/04/26 (Fri) 07:27 | EDIT | REPLY |   

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