志の狭間――「どろろ」16話感想
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失うことが証。
どろろ 第16話「しらぬいの巻」
どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

「どろろ」16話を視聴。墓を暴き、命の恩人をふんじばってお宝を奪おうとする。イタチの悪人ぶりは惚れ惚れするほどだが、琵琶丸の「食うや食わずの身の上で、それでも志を貫けるのなんてほんの一握りだけだからねえ」という言葉を思い出すとまた見え方が変わってくる。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月2日
イタチには志がある。「卑怯でも卑劣でも賢く生きる」ということだ。志あればこそ彼は火袋を裏切り死体を辱めても恥じるそぶりもない。世のため人のためなんてことばかりが志ではないのだ。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月2日
そう見立てると、鮫に殺されると諦めどろろに詫びすら入れた時の彼は「志を曲げている」。食うや食わずともなれば志を貫けないとは、生きるか死ぬかとなれば志を貫けないということでもある。琵琶丸の言葉は、一般的なイメージと逆の形でも証明されている。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月2日
一方、しらぬいは食うや食わずでも志を曲げない人間だ。家族である鮫を餓死させぬために自分の腕をくれて惜しみもしない。自分も怪我をしていても、思うのはやはり家族の鮫のことばかり。彼の鮫への家族愛は、親から子への愛に近しいものなのだろう。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月2日
志を曲げる弱き者も、志を貫く強き者も、しかしどちらもそれだけでは歪であるのは、イタチとしらぬいの行動が共に他者をどうとも思わぬものであることが証明している。だから、その間にいるどろろはいかにすべきかと問われている(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月2日
父の死を招き母を辱めた男すら諦めさせないどろろ。自分の命を奪うつもりだったしらぬいも殺させぬどろろ。その志の強さはしかし、それだけでは問題を解決してくれない。自分同様に強くあれと(父のように)語った言葉は、イタチとその部下を感化しきれなかったのだから。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月2日
崩れる焚き火で表されるような、幼心には強姦されるに等しく辛い仕打ちを受けたどろろは、それでもきっと誰の死も望まない。そしてそれを叶えてくれるような、そんな手立ては存在し得るのか。彼女の行動がますます気になる回でした。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月2日
しらぬいは鮫に喰われる心配なしに付き合えれば気のいい奴なんだろうなあ、と思う。次郎丸と三郎丸を自慢する時も三郎丸の死の苦しみを思う時も掛け値なしの愛情を注いでいるのが感じられて、付き合いたくはないが嫌いにもなれない……#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月2日
関連:
どろろ 感想リスト
どろろ 第1話 「醍醐の巻」
どろろ 第2話 「万代の巻」
どろろ 第3話 「寿海の巻」
どろろ 第4話 「妖刀の巻」
どろろ 第5話 「守小唄の巻・上」
どろろ 第6話 「守小唄の巻・下」
どろろ 第7話 「絡新婦の巻」
どろろ 第8話 「さるの巻」
どろろ 第9話 「無残帳の巻」 *感想お休みのため欠番
どろろ 第10話 「多宝丸の巻」
どろろ 第11話 「ばんもんの巻・上」
どろろ 第12話 「ばんもんの巻・下」
どろろ 第13話 「白面不動の巻」
どろろ 第14話 「鯖目の巻」
どろろ 第15話 「地獄変の巻」

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