見えない道理は無視できない――「ゲゲゲの鬼太郎(6期)」57話感想
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予告の時点ではこんなに「かわいい!」という気持ちであふれる回になるとは思いもよらず。
<お知らせ>
疲労のため、すみませんが今週のさらざんまい感想はお休みします。すみません。
ゲゲゲの鬼太郎(6期) 第57話「鮮血の貴公子 ラ・セーヌ」
©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション



「ゲゲゲの鬼太郎」6期57話を視聴。今回は「見えない道理」が描かれた回だったように感じました。先週予告を見た時「ん、また吸血鬼?」と思ったものですが、鬼太郎たちも同様でその連続性に「見えない道理」がある可能性を探ります。ちょうど折りよく行われたアニエスとの通信にしても、アニエス本人としか思えないようでも「砂の円の外には出られない」「制限時間有り」といった見えない道理が存在している。見えない道理は、見えないからと言って無視していいものではないのです。
ラ・セーヌは一度は「被害者が実は本物のラ・セーヌだった」という見えない道理で鬼太郎に勝利するわけですが、その後の彼と言えばむしろ逆に見えない道理に苦しめられる立場に回ります。鬼太郎を倒しても霊毛ちゃんちゃんこまで動きを止めるわけではない、板に打ち付ければ動きを止められても、その処分方法までどうにかできるわけではない、例え金庫に入れて海に投棄したとしても、それで脅威が去るわけではない……次第次第にラ・セーヌは、ちゃんちゃんこが攻撃を止めない道理の見えなさに恐怖するようになります。
ラ・セーヌには見えない場所で道理を積み上げて復活していた鬼太郎はその牙を折るという目に見える勝利を得、またラ・セーヌの従者であるマンモスは消滅するよりはマシという降伏の恥に隠れた道理を見抜いて許しを請おうとするわけですが――そこには一つ、見えない道理があります。もう日本には現れないという言葉は、もう人間の血を吸って殺すことはしないという意味ではないということです。だから石動零はその見えない道理を見逃さない。マンモスに対しては、彼が今後抱えていかなければならない苦悩、画面内では見えない道理を暴いて去っていく。本作では鬼太郎が「見えない道理」を明らかにする役割を担うことが珍しくありませんが、彼自身が道理を見せない役割を担う今回で石動零がその役割を担うのはとてもスムーズな作りなのではないかと思います。
それにしてもマンモスの忠義ぶり、悪役なのにいじましいレベルに達していて今後の彼が本当にかわいそうになってしまいました。飛田展男さんのラ・セーヌのコミカルさと合わせて、今回だけで出番が終わるには惜しいキャラでした。
<追記>
ラ・セーヌよりエリートの方が遥かに鬼太郎を苦しめた事実にメシウマな醜い感情が湧き上がっちゃうの(困惑)#ゲゲゲの鬼太郎
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月26日
そう言えば、ねこ娘があっさり気絶してたのはこれもラ・セーヌに不意打ちをくらったからなのかね。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月26日
ラ・セーヌ「よし、僕はここで気絶したふりをしてるから、お前はねこ娘を今にも襲うふりをするんだ」
マンモス「分かりました!」
みたいなやりとりを想像すると微笑ましいな。#ゲゲゲの鬼太郎
今週の鬼太郎、新しい方向性の燃料が投下された回だった。ラ・セーヌの容姿はマンモスが子供の頃から変わってないんだろうけど、成長する彼とのやりとりとか歴代の従者としての関係性とか、妄想しようと思えばいくらでも広げられるのではないか。#ゲゲゲの鬼太郎
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月26日
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