同じ強さは得難くて――「どろろ」20話感想
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パッチワークでは同じものになれない。
どろろ 第20話「鵺の巻」
どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

「どろろ」20話を視聴。蝗害、ネズミ、流行病。醍醐の領地は原因こそ違えど苦しめられている点で似ている。ろくでもないことばっかり似てしまう、そんな話だったのかなと思う。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月28日
ゲストである賽の目の三郎太は、どろろにも百鬼丸にも似ている。母親を奪われたこと、妖怪に手酷い目に負わされたこと。しかし共感を寄せるどろろや鬼神を斬る百鬼丸とは違い、彼がしているのは母の仇の妖怪に他の人間を食わせることだった。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月28日
きれいなものと同じようになりたくても、そうはなれるものではない。なのに、醜いところはずっと容易く似てしまう。武士に憧れ成り上がろうとした三郎太が武士と同じになれたのは、刀で他者を傷つけてしまうことだけだった。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月28日
だから三郎太は、他者が自分と「同じように醜い」ことに安堵する。敵討ちに行こうとする勇気ある人々が惨めに命乞いする姿に、そういう、ろくでもないことが似ていることに安堵する。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月28日
百鬼丸の腕。きれいな人の腕を模して作られた腕。けれど木でできたそれは肉よりもずっと脆く、どろろを救う力になれない。壊れるのは木の腕も琵琶丸の剣も同じでも、肝心のどろろを救うところだけは似てくれない。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月28日
体を取り戻したい。今の百鬼丸のそれはただ自分のものを取り戻したいだけではなく、それによってできることが視界にある。けれどその結果、凄惨な戦いが起きることは似通ってしまっている。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月28日
「なあんだ、お前もここに穴が空いてんのか」三郎太のその言葉は、命乞いをする人間を見た時と同じ心地で発したはずだ。しかし百鬼丸は自分と同じになってくれない。あの時なりたかった自分にだけ似ていて、それが三郎太には耐えられない。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月28日
三郎太は百鬼丸に掴みかかる。2人が同じなら、それは取っ組み合いになっただろう。しかし百鬼丸の腕は仕込み刀だから取っ組み合いは成立してくれない。そんなところですら、百鬼丸は三郎太に似てくれない。(続)#どろろ pic.twitter.com/GdXIpjoWmy
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月28日
なのに、鵺に喰われた三郎太の視界は百鬼丸と同じものだ。その目で見た百鬼丸の心と鬼神の色も、そんなろくでもないことだけ似てしまう。紅葉の赤に血の赤が被ってしまうように、ろくでもないことしか似てくれない。醍醐の地ではまた、ろくでもない地獄が待っている。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月28日
その人の強さはその人だけのもので、他人と同じ強さは得られない。そんな風なことを、今回は感じたりしました。三郎太は、どうすれば良かったんだろうなあ。原作とは役回りは全く別のものですが、良いキャラだったと思います。#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年5月28日
関連:
どろろ 感想リスト
どろろ 第1話 「醍醐の巻」
どろろ 第2話 「万代の巻」
どろろ 第3話 「寿海の巻」
どろろ 第4話 「妖刀の巻」
どろろ 第5話 「守小唄の巻・上」
どろろ 第6話 「守小唄の巻・下」
どろろ 第7話 「絡新婦の巻」
どろろ 第8話 「さるの巻」
どろろ 第9話 「無残帳の巻」 *感想お休みのため欠番
どろろ 第10話 「多宝丸の巻」
どろろ 第11話 「ばんもんの巻・上」
どろろ 第12話 「ばんもんの巻・下」
どろろ 第13話 「白面不動の巻」
どろろ 第14話 「鯖目の巻」
どろろ 第15話 「地獄変の巻」
どろろ 第16話 「しらぬいの巻」
どろろ 第17話 「問答の巻」
どろろ 第18話 「無常岬の巻」
どろろ 第19話 「天邪鬼の巻」

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