どの世界にも敵味方――「ゲゲゲの鬼太郎(6期)」58話感想
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メイド鬼太郎の演技指導はねこ娘がしたのかどうなのか。
ゲゲゲの鬼太郎(6期) 第58話「半魚人のかまぼこ奇談」
©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション



「ゲゲゲの鬼太郎」6期58話を視聴。今回は「どこの世界にも敵も味方もいるよ」というようなお話だったのかな、と思います。
半魚人がかまぼこ工場を経営していたのは、人間の世界は金さえあれば全てが味方になってくれる世界だと感じていたからでした。逆に言えば、妖怪の世界はちんけな妖術しか使えないと自嘲する彼にとっては敵ばかりの世界だったと言えます。だから彼は、妖怪に対してはいくら裏切っても気に病みません。ダイオウイカにした鬼太郎を騙して使役し、半妖のねずみ男も通販のノウハウを吸収すれば遠慮なくクビにしてしまう。
そういう彼が受けるのはまず妖怪の世界からの反撃であり、女装した鬼太郎に恋心を弄ばれ(誰だこんな計画立案したの……)、妖怪病院で自ら妖怪の体を捨ててしまいます。人間の体になることは彼にとって味方しかいない世界への転生であったはずですが、しかし次に受けるのはその人間の世界もけして味方ばかりではないということでした。そのきっかけになるのが半妖、つまり半人間のねずみ男というのもなんだか面白い役回りです。
妖怪の世界で同じ妖怪の「敵」に裏切られた鬼太郎が同じ妖怪の「味方」に助けられる一方、人間の世界で金という「味方」に助けられていた半魚人が同じ「敵」に手ひどい目に合わされる。これだけでも釣り合いは取れているように思いますが、それで済まさないのが今回の話の優しいところ。「元は妖怪で今は人間」の半魚人は「半分妖怪で半分人間」とある意味で近く、また価値観も同じようなものを持っているねずみ男と再会するところで終わります。孤独な世界に取り残されてしまったようでも、彼にはまだ敵でも味方でもある仲間がちゃんといるのです。わざわざ描かれることはないでしょうけども、2人が性懲りもなく金儲けを企んでこずるく出し抜きあう姿もちょっと見てみたいなと思いました。ともあれ、なんとも混沌としたお話だったのではないでしょうか。
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