数多の天秤――「どろろ」21話感想
- CATEGORY: Wisp-Blog
- TAG: アニメ_2019年春アニメ

選べばもう片方は。
どろろ 第21話「逆流の巻」
どろろ ©手塚プロダクション/ツインエンジン

「どろろ」21話を視聴。縫の方は領主の妻と子の母という自分の2つの属性に苦しむ。多くの人が、多くの出来事が2つの属性を。あるいは二面性をそれぞれ天秤に載せて持っている。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年6月4日
陸奥と兵庫は侍たる多宝丸の忠実な従者であると同時に、虐げられた弱き者としての一面も持っている。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年6月4日
しかし密偵はそれを許さない。多宝丸に守られ、人を虐げることを厭う弱き者であることを許さない。ただ従者であることを徹底せよと叱咤する。(続)#どろろ
二面性を持つ者が一つを選ぶということは、もう一つを捨てるということなのだ。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年6月4日
疫病から領民を守るには、病にかかった村を焼かねばならない。領民を脅かす敵兵を退けるためには、村の暮らしが危うくなろうが兵として徴集せねばならない。(続)#どろろ
景光は密偵に多宝丸を密かに守るよう指示する。多宝丸の誇りを無下にするものだと知っても、命と天秤にかけて景光はそれを選ぶのだ。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年6月4日
天秤にかけることを迫られるのは百鬼丸も同様で、自分の肉体に重きをおけばその分だけ彼の心はむしろ鬼神に近づく。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年6月4日
百鬼丸が百鬼丸であればこそ体を取り戻そうとするのに、その文彼は彼でなくなっていく。だからどろろには、どうすればいいか分からない。(続)#どろろ
多宝丸との戦いの中、百鬼丸の両の義手は破壊される。仕込み刀のあらわになったその腕は戦に適したものであると同時に、人の形から離れたものだ。人に戻りたくて刀を振るうその姿が、人から遠い。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年6月4日
多宝丸の右腕左腕になろうとしていた陸奥と兵庫もまた、自分のそれを失う。しかしそれは2人が多宝丸の右腕左腕になる資格を失ったことを意味しない。そうなら、多宝丸は2人を助けていない。むしろ、腕を失った2人を助けた事実こそが。(続)#どろろ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年6月4日
一人の赤子の体と醍醐の安寧といういびつな天秤の釣り合いは、いよいよ破綻しようとしている。それがもたらすのは、いったいどんな景色だろう。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年6月4日
そういう、初めに重く立ち返るような印象を受けた回でした。まだ更に凹むのを覚悟して次週に臨みたいと思います。#どろろ
関連:
どろろ 感想リスト
どろろ 第1話 「醍醐の巻」
どろろ 第2話 「万代の巻」
どろろ 第3話 「寿海の巻」
どろろ 第4話 「妖刀の巻」
どろろ 第5話 「守小唄の巻・上」
どろろ 第6話 「守小唄の巻・下」
どろろ 第7話 「絡新婦の巻」
どろろ 第8話 「さるの巻」
どろろ 第9話 「無残帳の巻」 *感想お休みのため欠番
どろろ 第10話 「多宝丸の巻」
どろろ 第11話 「ばんもんの巻・上」
どろろ 第12話 「ばんもんの巻・下」
どろろ 第13話 「白面不動の巻」
どろろ 第14話 「鯖目の巻」
どろろ 第15話 「地獄変の巻」
どろろ 第16話 「しらぬいの巻」
どろろ 第17話 「問答の巻」
どろろ 第18話 「無常岬の巻」
どろろ 第19話 「天邪鬼の巻」
どろろ 第20話 「鵺の巻」

にほんブログ村