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キリエ達の非日常――「荒野のコトブキ飛行隊 荒野千一夜」感想






 安藤敬而がノベライズを手がけた「荒野のコトブキ飛行隊 荒野千一夜」を読了。本編終了後のお話であることや表紙のキリエのセクシーさに買わずにはおられませんでしたが、いや素晴らしい出来でした。

 表紙のでキリエが着ているのはリリコ同様のウェイトレス服。修理のため隼にしばらく乗れなくなってしまったためにこうした次第になったのですが、アニメのキャッチフレーズは「空戦が日常。」だったことを考えると、キリエがウェイトレスをするのは「非日常」だと言えます。そして、オムニバス的に展開されるこの小説では多くのキャラクターがTVで見せたのとは異なる姿、つまりやはり「非日常」を見せている。例えばずーっとツナギだったのが黄色のワンピースを着せられるナツオ整備班長であったり、例えばウェイトレス以外の仕事をしているリリコであったり、例えば珍しくきっちり男伊達を見せてくれるアドルフォであったり……非日常の彼らの姿にはいつもと違う魅力があり、僕らの小説を読む手を早めてくれます。

 でも、そういう姿を見せた上で彼らは「日常」に戻っていく。そして、整備一筋に戻ったナツオや料理を運ぶリリコ、ナオミの尻に敷かれるアドルフォといった様子は、「やっぱり彼らはこうだよね」と思わせてくれる。「非日常」が驚きに満ちた姿であるからこそ、同時に「日常」に安心を感じることができる。その究極こそはやはり「空戦が日常。」というキャッチフレーズなのです。
 着慣れないキモノを着て、修理中の隼一型ではなく三型に乗って、空戦ではなくチラシくばりをして……いったん非日常へ離れたキリエの生活はなかなかすぐに日常へと戻ってはくれませんが、それ故に元に戻ってゆく度に彼女は強さと輝きを増していきます。その戻っていくものの中に隼一型も含まれているのが、それも彼女の日常の一部なのだと感じられるのはとても良い描写でした。
 イジツの世界はきっと、これからますます厳しさを増していくのでしょうけども。それでもキリエ達は自分の「日常」を失わずにやっていくのでしょう。本作のキャラクターの魅力を再確認できたノベライズでした。あーキリエに接客されたい!でもホットケーキを毎回食べるのはちょっと無理!

関連:
荒野のコトブキ飛行隊 感想リスト

荒野のコトブキ飛行隊 第1話 「月夜の用心棒」
荒野のコトブキ飛行隊 第2話 「さすらいの6人」
荒野のコトブキ飛行隊 第3話 「ラハマの長い日」
荒野のコトブキ飛行隊 第4話 「エリート砦」
荒野のコトブキ飛行隊 第5話 「華麗なるアレシマ」
荒野のコトブキ飛行隊 第6話 「帰らざる無宿」
荒野のコトブキ飛行隊 第7話 「ナサリンの1ポンド硬貨」
荒野のコトブキ飛行隊 第8話 「大飛行船強盗」
荒野のコトブキ飛行隊 第9話 「赤とんぼの風来坊」
荒野のコトブキ飛行隊 第10話 「情け無用の爆撃機」
荒野のコトブキ飛行隊 第11話 「イケスカの決闘」
荒野のコトブキ飛行隊 第12話(最終回) 「夕陽のコトブキ飛行隊」

「荒野のコトブキ飛行隊」キャラ描写の薄さに見る世界の広さ

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