逃げ場を求めて――「ヴィンランド・サガ」1~3話感想
- CATEGORY: Wisp-Blog
- TAG: アニメ_2019年夏アニメ

ユルヴァかわいいこれは村の男衆も首ったけになりますわ。
ヴィンランド・サガ 第1話「ここではないどこか」第2話「剣」第3話「戦鬼」
©幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ製作委員会

「ヴィンランド・サガ」1~3話を視聴。一挙放送なのでまとめて見たのだが、作劇に於いても思想に於いても「逃げ場」に関するお話だったのだと思う。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月8日
アイスランドの民は逃げ出した民である、とされる。ハロルドの圧政を嫌ってイングランドを離れた人々が住処を移し暮らしを営む場所。しかしその地は年々寒さを増し人の生存を許さないのではと思えるほどだし、そんな地でもハーフダンのような圧政的な男は存在する。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月8日
逃げ場はない。豪雪の中で逃げ出した奴隷は手足を腐らせ瀕死になろうが拷問して見せしめにするために連れ戻されそうになる。トールズが貴重な家畜と引き換えにしてそれを防いでも、細り切った命はあっけなく尽きてしまう。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月8日
トールズもまた、戦争から逃げることができない。15年前の脱走は見つけられ、参戦すれば許すというのは嘘であり、鼻息の荒い若い男子を巻き込みたくない方策も潰されてしまう。何より彼は、戦士であることを息子トルフィンからも逃してもらえない。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月8日
逃げ場を欲しているのはトールズや奴隷だけではない。アーレ達もトルフィンも、平和な村に押し込まれた華やかな戦への憧れを逃がす場所を求めている。しかしそんなものは存在しないのだ。外にあるのは残酷な斧投げ遊びや風俗を利用した虐殺、それを戦の口実にする血溜まりの世界。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月8日
逃げ場がない時、人は綱渡りを強いられる。かつて娘が生まれても逃げようとしたトールズは、ヘルガに「親」からの逃げ道を塞がれ人殺しではいられなくなった。潮流に乗ったからもう引き返せないと知ったトルフィンは、我慢に我慢を重ねた小便を放つ。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月8日
逃げ場はどこにあるか? 逃げ場は心の内にある。親であることを逃してもらえなかったトールズは、咄嗟に祖母の名前を付けた。樽の中に、船に乗れず村にいたトルフィンには大海はあまりに広くて、それはトールズの怒りを一瞬削いでしまう。結局おしりペンペンされたけど。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月8日
かつて自分の手を傷つけてまで持たせなかった剣を、トールズは身を守るためだけに使えと渡す。人殺しを厭うトールズは、多勢に無勢でも相手を殴打し気絶させることでそれを守ろうとする。逃げ場を塞がれた彼は、心の内の逃げ場を探して綱渡りする。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月8日
戦働きというこの頃もっとも尊ばれたであろう行為の不得手なレイフは、代わりの戦場に海を選んだ。新大陸を選んだ。ヴィンランド、それは死にかけた奴隷も夢に見た心の逃げ場。トルフィンにとってのヴィンランドとは、一体何になるのだろう。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月8日
関連:
ヴィンランド・サガ 感想リスト

にほんブログ村
【言及】
https://forestinthemountains.blog.fc2.com/blog-entry-1064.html