貴女の論理、貴男の感覚――「荒ぶる季節の乙女どもよ。」2話感想
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男女の違いを語る菅原が覗き込んでいるのは水面という鏡。そして向かい側にあるもの。
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第2話「えすいばつ」
©岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会

「荒ぶる季節の乙女どもよ。」2話を視聴。前回純潔の膜に見立てた部室の扉は校長達に侵入される。菅原氏に軽蔑されるそうな妄想もできるが、「侵入」は2話のあちこちで見ることができる。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月13日
よく知らない男性は菅原をズケズケ性の対象にしに来る。泉は和紗の知らない内に家にいる。教師の山岸は本郷1人の屋上に不用意にやってくる。天城は遠慮なく曾根崎のパーソナルスペースに入ってくる。「無意識の内に人の脳内を侵略してくるなんて、何なのよあの男!」……つまり侵入。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月13日
そして菅原は、男は女よりも感覚に頼らないと語る。代わりに頼るものとしてよく言われるのは「論理」であろうか。男性陣の行動もまた、それに基づくように描かれている。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月13日
菅原に相談された劇団の人は撃退法をストーリーに仕立てた。山岸が屋上の本郷を咎めようとしたのは校則や下校時間によるもの。天城は動揺する曾根崎に「第三者が見たら」という指摘をする。蛇口開けっ放しのホースが放置されたら締める。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月13日
浅田の告白に対する和沙と泉のやりとりは、そういう部分が特に強い。「断ったろ」→「ちゃんと断ってない」、「好きな娘がいるわけでもないのに断るのは悪いかと思って」→「好きな娘がいなかったら、告白されたら誰とでも付き合うのか」……わー見事に噛み合わなーい。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月13日
しかし、ならば本作は論理と男を蹴り上げる作品なのかと言えばどうもそうではない。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月13日
演劇経験者で「虫除け」に下品なストーリーを用意される程度には男性と付き合えている菅原は、男女の違いを語る力を持っている。それは同時に、男性の側とされる視点に立つこともできるということだ。#荒乙
実際、男が感覚に頼りっている場面もいくつか存在する。眼鏡を外した(血涙)曾根崎のかわいさを天城は感覚で捉えていたし、泉は動転して和沙の頭に衝撃を与えて忘れさせるという論理的なようで論理的でない行動に出た。山岸は本郷の剣幕に恐怖の感覚を覚えて撤退する。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月13日
また、女だって侵入している。本郷は浅田の泉への告白現場に潜入するし、和沙は最初そこへ侵入しようとしたし菅原が見つかったら結局自分も侵入した。また、彼女は本を読むことで男の気持ちへと侵入しようともした(泉にすれば、親への質問は自分のオナニー現場に再侵入される心地だったろう)。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月13日
「男って女よりも感覚に頼らないから、一度自分の中で物事を咀嚼する必要があるんだよ」……自分の中で物事を咀嚼するする必要があったのは、誰より和沙だった。自分の泉へのよく分からない感情を「好き」という論理に咀嚼して、初めて彼女はそれを認識することができた。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月13日
論理も感覚も濃淡はあれどどちらも必要で、単純化された校長の論理的廃部の指示には顧問という論理的な回答が必要になる。はてさて、和沙の泉への気持ちともども、どういう風にお話が進んでいくのかな。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月13日
今週は菅原役の安済知佳の声色がなんだか良かった。サクラクエストの真希役の時はサバサバして聞こえたものが、今は菅原のミステリアスさゆえの断定的力強さに繋がっているように感じられてとても面白かったです。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年7月13日
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