積み重ねるもの、剥がれ落ちるもの――「グランベルム」5話感想
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EDととても相性の良い回……
グランベルム 第5話「小さな少女の小さな願い」
©ProjectGRANBELM

「グランベルム」5話を視聴。戦う相手も組む相手も事前に定まった今回の戦いでは、今まで以上に積み重ねが可視化される。満月達は事前に打ち合わせを重ね、また寧々のジーグァンロンを撃破するには索敵と接近を積み重ねなければならない。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月3日
そして積み重ねを必要とするのは、寧々の側も同様だ。そのままでは勝てる見込みの無かった戦いを長期間「見」に費やすことでジーグァンロンの性能を見極めてきた。満月を撃つための大技もまた、捕縛とタイムカウントの積み重ねでもって完成するもの。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月3日
新月が寧々を優秀と評する場面を見る度、僕は涙ぐむ。その評価は、寧々がただ天性で得たものではない。母から学んだものを必死に自分に身に着けて、それだけ「積み重ねて」きたことの証明だからだ。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月3日
しかし同時に、寧々は勝利のためだけでなくもう1つのものを積み重ねてもいる。それは自分を特別な状態ではなくす積み重ねだ。正体を悟られていない戦略的有利を自ら放棄し、だまし討ちにも嫌悪感を隠さない。それは勝つための積み重ねとは相反している。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月3日
物語が進む度、寧々はその身にまとっているもの偽っているものを脱ぎ捨ててきた。今回の彼女もその積み重ねを止めない。母の操ったアルマノクスによく似たジーグァンロンは大型で接近戦もこなすシングァンロンに変形し、操る彼女は上着を脱ぎ捨てる。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月3日
全てはその延長にある。風水師リンフェンフェンの娘であることを名乗り、母を思い浮かべていた寧々の姿は、母に捨てられた己を守るために重ねて着た鎧だった。だからそれもまた、脱ぎ捨てる対象になる。胸にあったのは魔術師たる「お母さん」ではなく、ただ思慕する「ママ」だった。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月3日
私達が今回まで寧々の家庭事情の積み重ねを知らなかったように、見えずとも積み重ねは存在する。九音の姉・四翠の呪いと水晶の関係も、満月に起きた異変も、アンナが気づかなかった新月の対抗策のように今の私達は知ることができない。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月3日
そういう、見えないものの大きさを感じた回でした。頑張ったねと寧々の頭を撫でたい……うらら迷路帖の小梅と言い、こういういじましさのあるキャラを久保ユリカが演じるとすごくハマる。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月3日
関連:
グランベルム 感想リスト
グランベルム 第1話 「世界で唯一の魔術師」
グランベルム 第2話 「私がここにいるために」
グランベルム 第3話「満月に鐘は鳴る」 第4話「風水師リンフェンフェン」 *簡易感想

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