見失われた意味――「ゲゲゲの鬼太郎(6期)」67話感想
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原始人は怖くても帰りたくなかったのだろうか。それもまた業っぽい。
ゲゲゲの鬼太郎(6期) 第67話「SNS中毒VS縄文人」
©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション



「ゲゲゲの鬼太郎」6期67話を視聴。縄文人が連呼する「カモイ」という言葉。その意味が「怖い」であったことがラストでは明かされるわけですが、人々はそれを「いいね」という意味だと勘違いしていました。つまり本当の意味が分かっていなかったわけですが、それは湊クリスティーンへの反応についても当てはまります。本当はハーフではないし、ファンから贈られたという車も実際は自分の貯金で買ったもの。けれど人々はお構いなしに「いいね!」を押す。
クリスティーンの「本当の意味が見えない」は最終的に「いいね!」の中身にも至ります。無名より炎上という開き直りに始まり、逮捕されたことすらネタにしてそこに寄せられた「いいね!」の数に酔い痴れる。しかしその「いいね!」が指すのは彼女が求めてやまなかった「褒められる自分」を担保するものではない。それを彼女は理解しないし、理解しようとしない。
ねこ娘は「いいね!って元々は、本当にいいものを皆で共有するツールなのに」と語ります。しかし劇中では(そして現実では)そのような使い方をされてはない。それはある意味、それ以外の用途で「いいね!」を押す私達自身が本当の意味を分かっていないということではないでしょうか? どちらかというとそちらを前面に出した方がより現代的だったように感じますし、元の意味を離れることが必ずしも悪いことを呼ぶわけでもないとも思いますが、いやはやなんともカモイお話で(日和った締め方)。
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